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低音が遅れる

音楽が好きな友人の多くは「聴く人」ではなくて「演る人」です。
そこで興味深い話を耳にしました。
電気を使わないベースやバスドラなど低音楽器は音の立ち上がりが
録音された音楽のように力がないので遅れて聴こえるのです。
アコーステック・バンドの場合、演奏者はそこで一瞬早めに音を出すそうです。
エレクトリック・ベースや打ち込み系楽器では音の立ち上がりが早くなるので
演奏スタイルも違ってきます。
それならばオーディオマニアのよく言う「タイムアライメント」は制作者の意図と違う場合も出てきます。
そもそもライブの現場ではオーディオマニアの気にする音像定位とか空間表現とか考えてはいません。
音が前に出るとか、ノイズが乗らない、音が潰れないなどが制作者の苦労です。
クラシックのライブ録音でもバイオリンやフルートなら演者のちょっとした動きで再生される音の定位が動いてしまいます。
演奏者には定位という言葉さえ意味が違ってきます。
オーディオマニアの苦労や努力は見方を変えると完全に意味を失うのです。

発信者の立場から考えると、凝りに凝って多彩で力強い表現にチャレンジしたとしても
観賞者がそこを見て感じてくれなければ全くの徒労に終わるという事です。
美術にも音楽でいうオーディオマニアのような受け手の世界が多くあります。
# by tatakibori | 2012-05-19 08:47 | オーディオ | Comments(4)
低音再生

スピーカーを新しく作ると音楽を鳴らしてチェックしなければなりません。
箱による違いというのはほぼ全部「低音再生」の差です。
周波数で言うと、たぶん100Hz以下の部分のようです。
自分の好きなレコードやCDを何枚もかけてチェックをするのがマニアです。
その昔ならピンクフロイド「狂気」(1973)の冒頭の心臓の鼓動のような
バスドラムの音です。これがCDの時代になって強力なアンプで
恐怖感を伴うような迫力で再生されて喜んだマニアも多いことでしょう。
それからマイルス・デイビス「アガルタ」(1975)です。
当時のLPレコードには「住宅事情の許す限り大きな音で聴いて下さい」と書いてあったのです。
たまげるような低音の迫力がこのレコードに詰まっているんだと夢がふくらみました。
そして、1976年にウェザー・リポートにジャコ・パストリアスが参加して
「ブラック・マーケット」(1976)、「ヘヴィ・ウェザー」(1977)が世の音楽ファンに衝撃を与えたのです。
このあたりまではまだ良かったのですが、時代はデジタルに進んでいきます。
1979年には打ち込み系の始祖とも言えるYMOが登場して「ライディーン」「テクノポリス」など
日本の巷で大流行したから、残念な事にベースやバスドラがどうとか
我が国ではほとんど言わなくなってしまいました。
今から思えば英米のエンジニア達は当時でも地味に音作りに苦労していたようです。
カーリー・サイモン「Boys in the Trees」(1978)の5曲目「Fly Me Face」のバスドラの
音などアナログレコードでは限界と思えるような重さがあります。
時代はCDになり、妙に軽くてレンジの広い低音で密度がないというかつまらない
オーディオ暗黒の時代が80年代に始まります。
我々は1992年のエリック・クラプトン「アンプラグド」の登場までオーディオの楽しみを
捨てなければなりませんでした。
1994年にはイーグルスのライブアルバム「Hell Freezes Over」が発売されオーディオ
マニア復活の時代がやってきたようです。このアルバムがいまだにオーディオ・チェックに
使われるのは6曲目の「ホテル・カルフォルニア」のコンガに打ち込みの低音が載せて
あるような重い響きがどう表現されるかが面白いからなのでしょう。
日本産でも竹内まりや「インプレッションズ」(1999)の11曲目「告白」の
打ち込み系ベース音などもけっこう人気があるようです。
ブライアン・ブロンバーグ「Wood」(2001)はアコースティック・ベースの音だけで売った名盤です。
最近、私が気に入っているのはakiko「akiko's holiday」(2003)の
11曲目「ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド 」のややウソ臭いベースの音です。
恥ずかしいですが、スピーカーの体操と称して小室サウンドの安室奈美恵「SWEET 19 BLUES」(1996)の
16曲目「ボディ・フィールズ・イクジット」の完全打ち込み低音も大迫力で鳴らす事があります。
挙げればきりがない話なのでこのへんにしておきます。
まだまだ低音だけで楽しめる音楽もたくさんあります。

# by tatakibori | 2012-05-11 18:09 | オーディオ | Comments(2)
叩き彫スピーカーver.2プロジェクト その3

オーディオ系のネタが続くのは不本意ですが、
叩き彫スピーカーver.2「ツクヨミ」が完成したので報告です。
針葉樹合板で作りたかったのですが近くのホームセンターでは
入荷の目途がないので、しかたなくラワン合板で作りました。
広がる下部の方で箱鳴りがするかと思っていましたが
意外にも上の方の側板が少し鳴っています。
仮の箱で粘り気のある低音がしていましたが、
テーパー状の箱の特性かナチュラルな響きになりました。
やや低音の切れが悪いのでもう少しグラスウールを追加する予定です。

余った素材で適当に作ったFE164という80年代頃の16cmユニットとの比較をしました。
FE127KOはさすがに21世紀のユニットで音のクオリティがまるで違います。
ジャズでビル・エヴァンスを聴くと圧倒的に新スピーカーが高音質です。
ロックに変えてジャクソン・ブラウンを聴くと意外にも歪が気にならなくなり
アコースティック・ギターの音に厚みのあるFE164も捨て難いものを見せます。
どんな音楽を聴くかで好みが違ってきますね。
ルックスは新型が落ち着きがあって良いと思います。

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# by tatakibori | 2012-05-10 12:17 | オーディオ | Comments(0)
小型デジタルアンプは何を買うか

オーディオについて相談を受ける事があります。
昨年末にオーディオマニアの間で大騒ぎになったステレオ誌付録デジタルアンプ
LXA-01Tの登場が大きなきっかけになっていると思われます。
先ずはLXA-01Tが手に入れられなかった人が何を買えば良いかです。
サイズ、トッピング、レパイの3つが候補になりますが私のお薦めはレパイです。
私の持っている物より改良が加えられて電源オンのポップノイズの低減や
低音の改善などが施されているそうです。
それぞれの個性の印象をまとめると・・・
LXA-01Tは他に比べて重心が低いような太い音がします。
付属のACアダプターが他より小さくて容量が1Aなので改善の余地はあります。
レパイには最初から5Aの大きなACアダプターが付いています。
トッピングは音が小さいようです。能率の低いスピーカーでは無理がある場合があります。
レパイは一番馬力があるので使えるスピーカーの範囲が広くなります。
小型デジタルアンプは値段相応の実力しかないと言う人もありますが
それは3ウェイの大型スピーカーなどの場合です。
重い30cmウーファーとネットワークなどあればパワーの無い小型アンプでは
どうしようもありません。
8~12cmフルレンジ一発を駆動するなら黄金時代(1980年前後)の7万円クラスの
プリメインアンプがカスに思えるほど素直な音が出ます。間違いありません。
よく出来た最新の10cmフルレンジスピーカーと3,000円ほどで手に入る
中国製小型デジタルアンプはオーディオの一つの大きな革命だと思います。
これで5枚セット1,000円のジャズ名盤CDを聴けば30年以上前の
アレは何だったのだろうと思い出します。
実に感慨深いものがあります。
ほんとうに豊かな時代になったと思えます。

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# by tatakibori | 2012-04-27 21:55 | オーディオ | Comments(0)
神饌

神様にお供えする食べ物を神饌(しんせん)と言います。
伊勢神宮の外宮(豊受大神宮)は豊受大御神(とようけのおおみかみ)を祀ります。
豊受大御神は御饌都神(みけつかみ)であり、内宮(皇大神宮)の天照大御神に
食べ物を提供するために雄略天皇(西暦418-479)が伊勢にお迎えしたと言われます。
外宮では毎日、神様にお供えする御饌(みけ)を料理してお供えします。
食べ物にまつわる仕事をする人々は外宮をたいせつにしてお参りします。
お祭の後にお供え物を食べる宴が直会(なおらい)の本来の意味です。

我が家では祖母が死んだので、五十日祭までは他の神様には
お供えせずに祖母の祭壇に毎日ご飯を炊いてお供えします。
いつも美味しそうにたくさん食べていた祖母の為に器も大きい物を
用意して、たくさんよそって「おばあちゃん、ご飯ですよ。」とお供えしているのです。
# by tatakibori | 2012-04-10 21:03 | 神社 | Comments(3)
叩き彫スピーカー番外編・ボイド管スピーカー

ボイド管とはコンクリートの型枠に使う建築資材です。
厚手のボール紙で出来た筒の大きなものです。
塩化ビニールの大きなパイプを利用したスピーカーを作っている人達もあります。
もともと自作スピーカーはコンクリートパネル用や構造用の合板を
利用して作るのですからボイド管利用は自然な発想です。
大きな利点は軽くて強度のある長い構造です。
スピーカーのエンクロージャー(箱)の理論は色々とあるようですが
数をこなしていくと気がつきますが、長辺が長いほど低音がすっきりすると思います。
バックロードホーンや共鳴菅も折り返しがなければ歪が減るのは体験的に理解できると思います。
長いパイプはとても大きな笛のようなもので低音だけでなく中高音も盛大に響かせます。
バックロードホーンを自作した方なら苦労した経験をお持ちのはずです。
共鳴菅、バックロードホーン、音響迷路型のような動作を狙いましたが
響きすぎたのでグラスウールをたっぷり入れて末端にはバスレフダクト付きの
フタを取り付けタイムドメインタイプを横に寝かせたような形状になりました。
ユニットに正対しないのがミソです。

一時テレビでも話題になった波動スピーカーを贅沢に作り直したようなものになりました。
全長2メートルはダテでなく品位の高い低音を奏でます。
ユニットもFE103Enより高品位と思われるマークオーディオです。
工事現場風の見た目はともかく実験としてはかなりの成功の部類です。
オーディオ的にどうとか言うより響きの良いBGMです。
波動スピーカーを買った人から見ると乱暴過ぎる実験に思われるでしょう。
# by tatakibori | 2012-04-05 08:51 | オーディオ | Comments(0)
星条旗への抗議

周りの人と話していて、意外に知られていないのでここへ書いておきます。
1968年メキシコシティでのオリンピックで陸上競技男子200mでの表彰式での出来事です。
優勝はトミー・スミス、3位にジョン・カーロスと二人のアフリカ系米国人が表彰台に上がりました。
星条旗が掲揚され国歌が流れる間、二人は黒い手袋の握りこぶしを高々と挙げて
黒人への人種差別に抗議したのです。
当時、「ブラックパワー」と紹介されたそのパフォーマンスは衝撃的でした。
二人への処分も即日行われ、ナショナルチームからの除名と選手村からの追放、
そしてオリンピックからの永久追放という考えられないほどの厳しい内容だったそうです。
ジミ・ヘンドリックスがウッドストックで国歌をヘヴィな挽歌にアレンジして演奏したのが
翌1969年ですからその行動は歴史的にも大きな意味を持つと考えられます。

国歌、国旗問題になるとすぐに建国の事情が最もかけ離れた米国を引き合いに出して
語るのは浅はかにも思えますが、全ての国旗への抗議や国歌への悲しみはこの
黒いアメリカ人達の前には白々しい戯言にすぎないように思えるのはしかたがありません。
しみじみ「自由」の意味が違う国なんだと思います。
今世紀になってオバマ大統領が登場して、ルイス・ハミルトンがF1ワールドチャンピオンになり
かつてと事情が違ってきたのかもしれませんが、忘れてはならない事件の一つです。

# by tatakibori | 2012-03-24 11:56 | 日々の生活 | Comments(0)
君が代

大阪の国旗国歌条例で何かと話題に上がる事の多くなった日の丸・君が代です。
国旗国歌が法律で定められたのはつい最近の話で1999年です。
これは自然発生的なものなので法律で定め、条例で規制するのは
どこか本末転倒のように私も考えます。
ただし、思想信条の自由と言いながら国旗国歌を否定する教育を
義務教育において公立学校の教員が行うことは明らかに間違っています。
例えば、もしも隣国の太極旗を踏みにじるような教育が行われたら
それこそたいへんな問題になります。
人や国は互いに敬いあう精神がなければ交わりは成立しません。
そういう人としてのマナーを教えるには仏さまであったり、神さまや
ご先祖さまを敬うのが我が国古来の考えです。
しかし、政教分離であり、思想信条や宗教の自由があります。
そういう意味で何か国家のアイデンティティとしての歌が必要です。
外国の例を見ると勇ましい戦いの歌が多く、その歴史の古さを感じさせます。
それがその国の好戦的な気風を表しているとは誰も考えません。

君が代は戦争中の軍国主義の歌であるから国歌としてふさわしくないというのが
日教組を始めとする君が代反対の考えです。
君が代は古今和歌集の詠み人しらずの歌を元に作られたというのが一般の説です。
平安時代の古今集では発句が「我が君は」となっていて、後に間接的な表現として
「君が代」と直されました。
万葉集などを読むと分かりますが、お祝いにふさわしいおめでたい歌というのは
意外に少ないので、君が代が全ての人が共有できる寿ぎの歌として
磨かれていったように考えるのが自然です。
戦争中の教育を受けた父も「君」は天皇でもあるし、不特定多数の
二人称であると話していました。
柿本人麿の歌にはもっとストレートな王朝賛美の歌が多いように思えます。
万葉集の中で最もめでたいとされる最後の歌、大伴家持「新しき年の始めの・・」では
天皇へのストレートな表現をあえて避けて全てのものへの喜びの歌に仕上げています。
君が代は長い年月により選ばれ磨かれてきた祝いの歌として
日本人のアイデンティティに成長していったと考えられます。
皇神(スメカミ)の道は言霊の雅(ミヤビ)にありと言われますが、王朝の文学なくして
日本語の成立がなかった事はあきらかで、美しい言葉は先祖や神を外しては
考えられません。

米国では「The Star Spangled Banner」(星条旗)が国歌とされています。
これは法律で定めれたものではないようで、「God Bless America」も
第二国歌として歌われています。
ピート・シーガーで有名なウディ・ガスリー作の「This Land is Your Land」(我が祖国)も
愛されている歌です。
日本でも「This Land is Your Land」に習い西岡たかしが作った「遠い世界に」(五つの赤い風船)が
70年代に流行った事があります。
もちろん日教組が「緑の山河」を作ったり、サントリーが「われら愛す」と言う歌を提案した事があるそうですが
私は聴いた事もありません。
国歌は自然発生的で多くの人が共有できる歌でなければなりません。
定着するまでには長い時間が必要だと思われます。
君が代に反対する思想信条の自由はあります。
サッカーの国際試合で歌えるようなものを作りそれを時間をかけて広めていけば
第二の国歌が誕生するでしょう。
卒業式で起立しないという反抗や否定の行動よりも、そういう創造の行動でなければなりません。
美しい歌は裁判所や日教組の集会からは生まれません。





春分の日(春季皇霊祭)に思う.....。
# by tatakibori | 2012-03-20 13:12 | 日々の生活 | Comments(2)
「厳しい」の使い方

「締め切りまでに仕上げるのは厳しい。」という場合の「厳しい」は
「困難が多くて、たいへん」で、「いいかげんな対応が許されないさま」です。
これが過去の話で「厳しかった」なら「なんとか仕上げたが大変な作業だった。」
というニュアンスになる筈です。
締め切りに間に合わず仕事が成し遂げられなかった場合には
「厳しい仕事であった。」とはとても言えません。

将来の締め切りに対してなら「それは厳しいですよ。」と言われたら
「困難な作業になりますが努力してみます。」と私なら受け止めます。

これがとんでもない思い違いで、若い世代には「厳しい」は
「出来ない」と言う意味で使う人も多いようです。
それについては、かなり苦い経験をした事があります。
日本語特有の曖昧な表現でイエス、ノーがはっきり言えない場合に
ノーにきわめて近い言葉だと解釈しているようです。
だから「私は厳しいと言ったじゃないですか。」と開き直りとも
思えるような発言になります。
「ぶっちゃけた話」というのが全然ぶっちゃけてないように
「厳しい」は厳しいのではなくて「もう無理、無理。」と解釈しなければなりません。
「厳しい」と言われて「そういう曖昧な表現はやめて下さい。」と返すと
嫌な顔をされますが、その辺はハッキリしておかないと痛い目に合う事があります。
# by tatakibori | 2012-03-19 14:25 | 日々の生活 | Comments(0)
寿命

(写真は104歳の誕生日の祖母)

さすがに弱ってきた104歳と6ヶ月の祖母です。
毎日、祖母を見ていると人間の寿命とは何だろうと考えます。
日本人の平均寿命は世界一です。
香港、スイス、アイスランド、オーストラリア、フランス、イタリアと続きます。
世界で一番の短命な国はアフガニスタンです。
意外なのがロシアよりイラクや北朝鮮の方が長い事です。
アフリカ諸国が短いのは貧困が原因のようです。

人間の寿命は新陳代謝のサイクルに限りがあると言う説、
心臓の鼓動に回数の限界があると言う説などありますが
定かではないようです。
低カロリーの食事が寿命を延ばすという説がありますが
それも祖母を見ていると関係ないように思えます。
祖母の特徴を考えると、
驚くほど欲が無いから嫉妬心をほとんど持たないのが
ストレスの軽減に繋がったのではないかと考えています。
丈夫な胃と心臓が長寿の基本なのでしょう。
110歳位まで生きる人が多くなった今日では
珍しいほどの長寿ではないとも言えますが、
人生の大部分を一緒に暮らしてきた家族が
このように長生きするのはとても不思議な気分です。

過度のタバコや酒をはじめ、
脂肪分の多い肉食など寿命を縮めるようです。
ヘロインや覚醒剤も命を削りますが、
大麻と喉頭ガン、肺ガンの関係は
多くのミュージシャンが証明しているように思えます。
タバコはもちろんですが、大麻は止めましょう。
神から与えられた寿命をまっとうするために。
# by tatakibori | 2012-03-12 18:14 | 日々の生活 | Comments(0)
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