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カテゴリー

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私の木彫、木版画は分類すれば「民芸運動」と呼ばれる一群に近いと思います。
祖父が棟方志功と交流があった事と父が保田與重郎と親交があり
大きな影響を受けた事が「昭雲叩き彫」を育てたというのは事実です。
民芸運動がどういうものかを考えればピッタリ当てはまるようには
思えませんが、我が家に伝わる木彫は職人的なものでもアート的な
ものでもなく円空、木喰上人のような流れの上に存在しますから
カテゴリーとしては民芸となるような気がします。
カテゴライズは自らしなくて世間がそういう目で分類するものだと
思いますから他のカテゴリーでも全然かまいません。

私は1970年前後から80年頃までのロックが大好きです。
当時のロックを探してアマゾンやyoutubeを見ていると
関連性のあるものを紹介してきたり、
レビューの中に知らなかった情報があったりします。
そこに「スワンプロック」というカテゴリーが漠然と存在してきます。
ブルース、ソウル、フォーク、カントリーの影響を受けた70年前後の
やや泥臭い白人ロックのような気がします。
ザ・バンド、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル、レオン・ラッセル、
リトル・フィート、デラニー&ボニー・・・がwikiには出てきますが、
ライ・クーダー、ジャクソン・ブラウン、CSN&Y、ローリングストーンズ、
ボブ・ディラン等々数多くのミュージシャンも当時はそんな感じです。
突き詰めていくほどカテゴライズは難しく、良い音楽を求める旅は
多岐にわたり無限に広がるようで、消費の欲望もそれに比例して
膨らんでいきます。

我が身を思えばカテゴライズされたら生きている範囲が
狭まるようにも思えて、やや違和感があります。
しかし反対の立場なら、カテゴリーは曖昧な存在ですが
良いものを探す広がりのきっかけとして重要だと分かります。

芸術家と称するのは大きな抵抗がありますがカテゴリーとしては
木彫の芸術家のように思えるのでそう言ってきましたが、
偶に芸術家を自称するような輩は信用ならないと言われます。
やはりカテゴライズは世間にしていただけるように
存在を大きくしていくのが私のような仕事をする者の務めです。


# by tatakibori | 2023-07-17 20:18 | アート

ヴァイナル

ヴァイナル_d0006260_20161858.jpg
アナログのレコードを英語で「vinyl」と言うそうです。
ヴァイナルと読みます。
日本でも最近はレコードをビニールと言う傾向があります。
レコードは素材が塩化ビニールだからですね。
CDは素材がポリカーボネイトですが、ポリカと言う人はまだいません。
最近は音源がデータ化してCDも既に過去の遺物になったようです。
ハイレゾとか言うCDよりもデータ量の大きな音源に移行しつつあります。
今世紀初頭まではレコードを持っているけどCDを買うというのが
少し贅沢な行為でしたが、最近はデジタルの音源はあるけど
やっぱりヴァイナルを持つのが贅沢のようです。
私の世代はレコードが爆発的に売れた時代の若者ですから
思い出の音楽の中古レコードが手に入り易く、その贅沢を
楽しむに好都合です。
運が良ければほとんど再生してないようなコンディションの
良いものに出会えます。
不思議にデジタルでは味わえないような音がそこに
あるように感じます。

# by tatakibori | 2023-05-23 20:31 | オーディオ

新たな展示場

毎年のお正月に開催していた新作展を2回休んでいるので
心配してお声かけ下さる方があります。
今後の新作展は工房で開くように計画を進めております。
新会場は元窯小屋で、すでに窯は解体して
床はその廃材のレンガを敷き詰めました。
一人でやっている作業なので何時完成するか
未定ですが、やっと先が見えてきました。
冷房も暖房も必要ない良い時期に開催したいと思っています。
建物は広さが約8坪で電気も水道も無い状態です。
今後も備える予定はありません。
設備に投資した分が作品の価格に反映されるように
なる事は私の望みではありません。
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建物の外観、木造ですが屋根も壁もスレートです。
台風で傷んだ屋根の修理がたいへんでした。
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窯の解体と床のレンガ工事を一人でするのもたいへんでした。
内装は展示台と少しの壁を取り付けます。


# by tatakibori | 2023-05-03 16:32 | 仕事

4月に東京・目黒で個展です

2年ぶりの個展です
会期は4月13日(木)~29日(土)
東京都目黒区目黒本町5-11-20
ギャラリーつつい
東急目黒線・武蔵小山駅・西口
目黒区中央体育館近く

私は14日(金)正午頃から17日(月)午後2時過ぎ
の間は会場にいます。
小さな作品が中心ですが
力の入った最新作ばかりです。
お会いできるのを楽しみにしています。

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# by tatakibori | 2023-03-24 15:32 | 仕事

棟方志功の手紙3

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昭和33年10月に棟方志功はかなり衰弱してきた祖父を東京へ招きました。
棟方先生は付き添いの父と2人分の旅費を送り、
東京でのタクシー移動なども全部手配したそうです。
手紙にもあるとおりベネチアビエンナーレで大賞を受賞した
棟方志功は多忙で思うように祖父との時間が取れなかった事を
悔やんでいます。
祖父は手土産に鬼の顔のような面を彫って持参しました。
父は絵具、バレン、古着のコールズボンなどと、兄と私への
ブリキの自動車を貰って帰ったのを部分的に覚えています。
早熟で記憶力の良い山田家の特徴と言うか、わずか2歳の幼児にしては
よほど印象の強い出来事だったのでしょう。
棟方家の豪華な客室とふかふかの布団、クマの毛皮の敷物に
度肝を抜かれたと父が何度も話していました。

手紙は・・
この度は、わざわざ遠路をたどり来てくださった事々
ありがたく、久しくにお目にかゝれまし事、
よろこび以上でした。あのいそがしさ、せわしなさに、
ゆっくりと語り得なかった事をふかくおわびしてゐますが、
こんどは、こっちから、是非にもおじゃまいたしまして
語るのを得たくと切々なるものあってゐます。
折角に、おつくりくださいました、『大面』は早速に
画室正面の画架に架して拝してゐます。

しかし、この時に棟方先生は父にかなり厳しい話を
し父はショックを受けたそうです。
どう生きて行くのか父の甘い部分を見て先生は
弱っていた祖父に代わり何かを伝えようとしたのかも
しれません。
その事もあり、遠い東京というのもあり、超多忙な
棟方先生と我が家はだんだん疎遠になっていきます。


# by tatakibori | 2023-02-12 15:29 | その他