同心円の核

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日曜日の早朝にNHKである作家(元ジャーナリスト)の講演と談話をやっていました。
報道されない真実があり、それは醜くて悲惨なものだったりするというような話でした。
たいへん下品で強烈な表現に衝撃を受けました。
すべての問題は同心円にあり、その核にはある事件を描いた小説があるそうです。
それはネット上の青空文庫で立ち読みできるので、ざっと読んでみました。
ノンフィクションでしょうが、強い誇張の表現で埋め尽くされており、
予備知識なしにこれに入ると気分を害するものです。
それについてはいずれ感想を書いてみたいと思っております。

自分にとって同心円として仕事に対する思いがあるとすれば、
その核には何があるのだろうと考えました。
以前は「神の存在」だった事もあります。
人と人が接する時に、その立ち振る舞いの中に神があるのでは
ないだろうかと考えました。
最近はもう少し単純に、ごはんを食べる時に家族そろって
手を合わせて「いただきます」と声を出すような事が
私の仕事の持つ意味のすべてのベクトルが向かう核に
あるように思えます。

サウンドオブミュージックは最も優れて美しい映画だと思います。
食事のシーンで何もしないでいきなり大佐が食べようとすると、
マリアが「お祈りはしないの」とたしなめます。
愛と平和、反戦など大きなテーマがありますが、
このシーンは説得力のあるものだと思いました。

子供の頃は家族そろって、父が声をかけて「いただきます」と
やっていました。
色々と苦しかった時期に、父に対する反発からその習慣を
壊すことを実行しました。
一番大切なものを父から奪うという制裁を行ったのです。
たいへんつらい事でした。
父が死んで長い時間が過ぎました。
最近はできるだけ家族そろって「いただきます」と
手を合わせるように努力しています。

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# by tatakibori | 2017-03-13 21:07 | その他 | Comments(0)

来世は

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「来世は東京のイケメン男子にして下さい」
昨年の大ヒット映画「君の名は」の中の飛騨の女子高生・三葉のセリフです。
人生をやり直したいという気持ちと、来世に夢を見るのは少し違います。
輪廻転生に期待しても、来世は虫や小動物に生まれ変わるかもしれません。
それなら猫が良いと思う人も多いかもしれません。
もっと勉強がしたいとか、世の役に立つ人生でありたいと言う真面目な方も多いです。
モテモテのハリウッドのスターとかF1レーサーになりたい人もあるでしょうね。
来世は何が良いでしょう?



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# by tatakibori | 2017-02-13 21:15 | 日々の生活 | Comments(0)

地域おこし型アートイベントのその後

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昨年の秋に参加した地域おこしのイベントの報告書が届きました。
近隣の町で地域おこしのNPO法人が主催し、市がバックアップする
しっかりしたイベントで、今回が4回目でした。
これは岡山県北では体験型アートイベントの先駆けとして果たした役割は
大きく、その後の模倣したイベントの出現が示すように革新的なものでした。
そして、地域おこし協力隊員、県内大学生のボランティアが参加することによって
イベントは地方創生推進事業(?)としての性格を強めていったようです。
地元の古くからの基幹産業である林業をからめたり、発酵食品のレストランが
参加するなど地元色を強めて、美術工芸のイベントから一歩も二歩も
進んだイベントに発展してきました。
ワークショップのプログラムは50ほどあったようですが、美術工芸に
絞れば20の作家や団体のものがありました。
報告書をざっと読むと、地元の作家のブースには体験者が多かったようですが、
遠方からの作家のワークショップは体験者がとても少なかったと書いてあります。
地域おこし型のイベントとしての取り組みは成功し次への大きな可能性を示した
のですが、私達作家サイドから見るとクラフト系アートイベントに参加する
メリットが少なくなってきているように思えます。
私もこれの模倣のイベントを開いた事がありますが、さらにイベントは増えて
同時期に乱立するという状況もその原因です。
例えて言うなら、メルセデスの模倣を慎重かつ巧妙にやったトヨタが
上手く行ったので、それに続くヒュンダイなど第3国の模倣がどんどん
出てきたようなものです。
後発組の経費をかけずにコンパクトに地元住民に貢献する手っ取り早い
効果も見逃せません。
乱立から淘汰が始まり、厳しい状況に置かれるのは自治体や地元住民では
なくて美術工芸作家のような気がします。
どのイベントでも「継続」が叫ばれますが、毎回の赤字を支えるだけの
基礎体力は作家個人には望めません。
地域の文化によるまちづくりと個々の作家につながりの無い部分を感じてしまいます。
継続によるイベントの日常化を目指すという意味では地域外の作家は
余所者でありプログラムのアイテムを増やす役割でしかない場合もあります。
自治体やNPO法人の活動は活発で大きな努力が払われ、
それなりの成果を得ているようですが、
そういったものと作家個人の活動は関連していない現状があります。
作家に求められているのは、イベントを通じて存在をアピールする事です。
主催者の意図をしっかり理解することがたいせつです。
お誘いいただくのはありがたい話なので、断ったり逃げたりしないで
よく考えて、それなりの準備と覚悟を持って参加するつもりです。
地域おこし型アートイベントは新しい時代に入ったのは確かです。



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# by tatakibori | 2017-01-14 11:58 | アート | Comments(0)

ゲンロン4

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自営業のブログには野球と政治の話はタブーだと思います。
今日は少しそっち方面の話になるので不快に思われる方があるかもしれません。

私が東浩紀に注目したのはtwitterを始めた2010年頃に今のアートを取り巻く
環境について多く発言しているのを読んでからです。
世間では朝まで生テレビでブチ切れて退場した事が話題になっていました。
震災以降の比較的冷静な発言では評論家として優れた見識を示したと思います。
最近はゲンロンという名でカフェと称する公開討論、それのニコ生放送、
そして自ら出版するこの書物で新世代の評論家として生業を立てるという
意味も含めて積極的な活動を展開しています。
これは文筆業を含めたすべてのアーティストの規範となる優れた
ビジネスモデルです。
今年の都知事選挙後に政治学者の山口二郎を招いた対談がこの本に
載っているので読みました。
山口二郎は政治学者ですが、「リベラル」と自称する左派の活動家であり、
それは本業の大学教授とは違って収入を得る手段とは切り離しているようです。
定着した「ネトウヨ」と呼ばれる右派を「反知性主義」とこき下ろし、
その代表である安倍首相を真っ向から批判する「アベ政治を許さない」
というスローガンは彼の発案かどうかは知りませんが、そういう運動の
中心人物である事は間違いありません。
自らを反知性の対極である知性を持ったリベラルと言います。
過去の革命を目指した左翼運動とは違う現実的に政治に働きかける知性は
今までの左派や民進党の代議士よりはるかに上です。
シールズとか都知事選などは結果論では否定しているのが山口らしい判断だと思いました。
自分をナショナリストと言うには少々驚きましたが、これが今の日本の現実だと思います。
簡単なリベラル=グローバリズムという時代が過ぎてしまったのは現時点での
世界の軍事的緊張の影響なのかもしれません。
いずれにしてもリベラルという左派が存在していくにはこの2人がリードしなければ
始まらないと私は思っています。
日本の未来を考えるには彼らから目が離せないとも言えます。
現時点では少数派と言えども彼らが代弁している国民の気持ちを
無視するわけにはいきません。
振り返れば成果の出ない活動が多かったようですが、
次に何を論じて政治に働きかけるのか注目しています。





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# by tatakibori | 2016-12-27 19:13 | 読書 | Comments(0)

引き出し

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木版画教室も丸3年が過ぎて、生徒の皆さんも上達してきました。
当初の目標は棟方志功の模写や、それ風の楽しい版画を
体験してもらう事でした。
棟方志功の画集をご覧いただければわかりますが、
楽しい版画ばかりではありません。
アートとしては強いメッセージを持っているのでしょうが、
それを模写するのをためらうような表現も多くあります。
また複雑な表現は素人には無理だったり、
成し遂げても満足感の無いものもあります。
そこで可能なものは簡略化したり、
理解しやすい表現にアレンジしてお手本を提供しています。
でも、数多くやっていくとネタ切れと言うか、
アイデアの引き出しが空になる日があります。

今年のそんな時に眺めていた本を並べてみました。
鳥獣戯画と浮世絵の画集は基本の一つです。
文様の本は古典的なデザインの宝庫です。
浮世絵や江戸期の伊万里焼のセレクトなどは
ハッとするほどセンスの良い本です。
中国から取り寄せた篆刻の本は、かの地では初心者、学生向けの
ものですが、日本のものよりはるかに専門的です。

創作を始めた頃のやりたい事のネタはすでに
使い果たしてしまったので、こういう古典をもう一度
深く調べて自分の作品に馴染むアイテムを拾い集めて
築き上げる作業が増えてきた今日この頃です。

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# by tatakibori | 2016-12-22 21:05 | 仕事 | Comments(0)

アナログ人間

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1、自分用のクルマはMTに限る。
2、Eメールより手紙だ。
3、今もフィルムのカメラを持っている。
4、IHはどうも苦手、フライパンが振れない。やっぱりガスだ。
5、今もガラ携。
6、薪ストーブが好き。
7、カーナビは信用できない。
8、今もLPレコードを聴いている。
9、長い文章は紙にプリントして欲しい。
10、定期購読している雑誌がある。

以上の中で5つ以上該当すれば
あなたは立派なアナログ人間です。
8つ以上だと恐怖のアナログ人間です。

ちなみに、私は6つです。


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# by tatakibori | 2016-11-22 20:59 | 日々の生活 | Comments(4)

「流れをつかむ日本の歴史」

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山本博文氏は東京大学史料編纂所教授でマスコミへの露出や著書も多く、
どこの書店、図書館でも彼の著作をみかける当代きっての歴史学者として有名です。
津山出身なので故郷での講演も多く、中身の濃いお話が当地の歴史ファン
の間でも人気を集めています。
専門は近代史で江戸時代の武家社会を中心としたものです。
今回の津山での講演に先立って、高校の同期生で集まって「山本博文君を囲む会」と
題するプチ同窓会があり、その場で会の主催者より買い求めた本です。
マスコミやネット上にあふれる情報で混乱して現在の歴史のスタンダードは
どうなっているのか分からない部分があるので、参考にしようと真面目に読んでいます。
第一部古代。第二部中世をざっと読んでから、飛ばして近代の第三章戦争の時代以降を
読み終えたところです。まる一日近くかかりました。
高校の日本史はほとんど覚えていませんが、仁徳天皇の実在が確かなものである事は
初めて知りました。その先代応神天皇はエピソードが仁徳と重なるので不確かな
存在であるのはいつも読んでいる古事記の本にも書いてあります。
仁徳天皇が実在なら、ますます吉備の黒姫が実在の人物であることを願うのです。
岡山の観光資源として重要です。
読み進むと歴史上の暴れん坊が意外にも優れた歌を詠んでいたりするのが
日本史の面白いところだと思いました。
忘れていた固有名詞が多く日本史用語集などあれば同時に開いて読み進めたいところです。

歴史認識として気になる近代史は、この本の立場や考えが今後の教科書に反映されると
思われるので、先に真剣に読んでみました。
ネット上でも色々な話が錯綜していますが、問題を整理して語る時に誰にでも
たいへん参考になる記述だと思います。
今回の帰郷の講演会は「武士道と日本人」と題して小学校の校長先生の集まりで
行われたものでした。
将来の日本を作っていくために、彼のような学者も大きな役割を担っているのを知りました。
この本に限らず山本博文氏の著作はどれもお薦めです。




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# by tatakibori | 2016-11-13 15:55 | 読書 | Comments(0)

棟方志功が「先醒」と呼んだ祖父

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今、岡山県井原市で『棟方志功ー平櫛田中を「先醒」と呼んだ、版画家』と題した
棟方志功の展覧会が開かれています。
わたしの祖父・山田昭雲(本名・哲)に贈られた棟方志功の本にこのような文字があります。
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「先醒」は「せんせい」と読むようです。
敬称としては調べても分からないので棟方志功の造語だと思われます。
祖父は棟方志功より2つ年長だったので先輩というような意味だと思ってました。
今回の井原のイベントでは「先醒」にこだわっているようなので、
「先に大いなるものに目ざめた」と言うような意味があるのかもしれません。
祖父は昭雲叩き彫を考案してその子孫をこの道に導いたので、
その部分では我が家の始祖です。
棟方志功は私の父に平櫛田中の作品の写真を見せて
「本当の木彫刻とはこういうものである。」と言ったそうです。
文化勲章を目指す棟方志功にとっては文学とは谷崎潤一郎であり、
木彫は平櫛田中こそ本物だったのです。
人生に大きな目標を持ち、それを成し遂げた偉大な芸術家は幸せです。
「目標の無い」創作を3代を超えて続けてしまった我が家の
ほんとうの目標は何であったのか、何であるべきなのか・・・そう思う事があります。
おそらく、こうやって単純な仕事を続ける事だったのでしょう。
そういう目標ならゴールが見えなくても仕方がないのは当然です。
明日も明後日も、来年も木を刻んでいると思います。
私が死んだ後も誰かが続けていてくれたら、それは「ほんもの」になるでしょう。


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# by tatakibori | 2016-10-09 20:11 | その他 | Comments(0)

六十の手習い2

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六十の手習いというか今時の中高年の趣味ですが、どんな事を友人達がやっているのでしょうか。
多いのは音楽です。フォーク、ロック、ジャズのバンドや歌、合唱団などを楽しんでいます。
コンサート鑑賞はクラシックが多いような気がします。
自転車(ロードバイク)やマラソンも流行りです。
カメラやオーディオは意外に少ないと思います。
古めの輸入車を愛でるスリリングな趣味は年齢層を問わないように思えます。
釣りやゴルフは基本形のひとつですね。
備前焼の陶芸教室も盛況で、書や絵画を楽しむ人も多くあります。
俳句とか短歌は素養が問われるのでハードルが高いかもしれません。

今まで何も趣味が無かったという方に私からのお薦めは木版画と絵手紙です。
絵手紙は「下手でいい、下手がいい」と言われて気取らないのが良いです。
無心になって筆を持つのは意外に面白いものです。
尻込みすることは何もありません。字は誰にでも書けるものです。
もともと「六十の手習い」とは年をとってから字を習う事なのです。
年をとってからのほうが楽しいのです。
書いて人に見てもらうには手紙にして出すのが一番簡単です。
筆で書いたハガキが届けば友人達は喜ぶに決まっています。
それに付随する勉強は広く深く、楽しみは無限に広がります。
絵手紙に木版画は、まさに鬼に金棒で最強の組み合わせです。
ささやかではありますが、ある種の最高の贅沢なものがそこにあります。

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# by tatakibori | 2016-09-14 17:33 | その他 | Comments(0)

六十の手習い

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「退職したら木で仏さまを彫ってみたい」という夢を持っている方が意外に多くあります。
木版画教室だけでなく仏さまの木彫教室はしないのですか?と尋ねられる事もあります。
木版画教室は手ぶらで参加できるようにすべての道具と材料、それにお手本も用意してあります。
叩き彫の木彫教室を開くなら、彫刻用木材とノミに金づち、彫刻刀などが必要です。
木版画用の彫刻刀は子供用のもので充分に使えます。版木は昭雲工房特製の合板張り合わせでコストを抑えています。
しかし、木彫となると素材や道具の単価が別次元のものになります。
それを承知していただく事と木彫の教則本を読んだ事があるか確認しています。
たいていの場合は未経験者の方は予備知識がまったく無く戸惑いの表情で帰られます。
独学で木彫を試みている人には、作品を拝見してその方に合った助言を差し上げるように努めています。
大人の男性の趣味となると、レベルの高いものを提供したいと考えるからです。
ゴルフ、釣り、カメラ、バンドなど色々な趣味がありますが、それぞれに高価な道具や「スキル」が必要になってきます。
木版画ならちょっとだけ体験という方法もありますが、木彫でそれを提供するとなると
開催するだけでも高価な道具や材料を用意しなければなりません。
比較的安価で上手く木彫教室を開催されている方もありますが、
それなりの経験を重ねてこられたベテランや高度な専門教育を受けられた講師のようです。
六十を過ぎてから円空仏の制作に専念して、個展や教室を開くまで発展させた方も多くあります。
木彫には強い情熱と根気が必要だと思います。
夢はたいせつですが、六十になって実行するには、それまでに情報を集め、本を読み、
予備知識を積むのが第一歩だと思います。
当工房へ訪ねてお出でになる前に何をどうしたいか考える事をお勧めします。
それなりの準備がなければ、「やりたい事があるんだ」という話をするのが「やりたい事」になってしまいます。

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# by tatakibori | 2016-09-13 20:07 | その他 | Comments(0)