最近よくある葬儀の形態として密葬を近親者だけですませ後に別の会を開きます。
ホテルでのお別れの会の場合、案内状に「当日は平服でお越し・・」と書いてあります。
「平服」は現代の常識として考えれば男子の場合は無地のダークスーツに白いシャツ、
そして暗い色調のネクタイで黒い紐靴でしょう。
もう10年くらい前ですが、父と二人でお別れの会に出席したら、私達二人以外の
全員が黒い服だった事があります。
しかも出席者は千人ほどの大きな会でした。
恥をかいたと言うほどではありませんが常識も広いなと思いました。
葬式や結婚式で着る黒いスーツは本来礼服ではないので平服の内だそうです。
正式な礼服のように思っているモーニングもじつはもとをいえば乗馬服です。
日本の紋付袴など略式の最たるもので、宮中で儀式に着る束帯でさえ
もとは狩衣だからスポーツウェアだったのです。
ココ・シャネルは男物の仕立てと同じ女性用の服を作り競馬場へ着て行って
世間を驚かせたそうです。
それが今の女性用のスーツの原点だったのですから
とても正式な場所へ着て出られるようなものではなかったのは当然です。
70年代の中頃にジャージ(体操服)を着るのが不良の間で大流行しはじめました。
ああいう格好だけはしたくないと思ったのですが、あっという間に定着して
今では学校の先生など一日中ジャージで平気です。
私はいまだにあれだけは抵抗があってジャージでお出かけはできません。
ステージに着て上がったボブ・マーリーはたいしたもんです。
私の知る限りで半袖のTシャツの下に長袖を着たのは「ロッキー」の
シルベスター・スタローンが最初でした。
あれから30年以上たってやっと最近そのかっこうで外に出られるようになりました。w
日本で最初にTシャツとジーンズでテレビの司会をしたのはせんだみつおだったそうです。
それまでは司会者はスーツにネクタイでなければならなかったのです。
時代が変れば常識も変ります。
2011年の「お別れの会」、しかも今回は「・・・想う会」と銘打ってありますから
「平服」をどう解釈するかは難しいところです。
たぶん黒いスーツは避けたほうが賢明でしょうが、
普段着で集まるような会ではないという意味には違いありません。