アートイベントに参加して

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芸術での作家活動をする人が急速に増えているのは全国的な現象です。
美術系の大学も増えたので若い世代になるほどアーティストが多いようです。
厳しい見方をすれば、大学を出ても就職がない、そこで独立して物造りに励み
作品を発表したり少しでも売れば何か頑張っていると言う事になります。
現実には作品を売って食べている人はごくわずかです。
若い作家のほとんどはそのような厳しい環境にあります。
景気の良かった時代を体験している世代は売れた経験を持ちますが
若い世代にはそういった体験はないのです。
売れないというのは評価されていない事に繋がるので
励みを失っているのがよく分かります。
将来に対する不安と言うよりも、仕事に対する努力はこれで良いのかという自信の無さを
話していて痛切に感じるのです。
社会が成熟して、さらに高齢化が進んだせいで20代後半の人はまだ子供のように思えます。
しかし、彼らもそれなりの時間を修行なり、勉強に費やしてきているので
個々の価値観においては充分なレベルに達しているように私は感じました。

10年後の将来を考えればもっとアーティストは増えると思います。
もちろん競争があり、淘汰される場合もあるでしょう。
社会に求められる作品も形態を変え、販売方法も変わっていくでしょう。
その大きな変化の時代に直面しているのを感じています。
30年以上前には備前焼でありさえすれば飛ぶように売れた時代もありました。
その頃に、美術系の大学では就職に失敗して、絵でも彫刻でもデザインでもダメなら
ガラス工芸作家になるという方法があると話されていました。
そういう種類のアーティストが少なくて不足していたので可能性が高かったのです。
今は備前焼の作家も驚くほど増え、ガラス工芸作家も数多くなり厳しい環境です。
つまり、その時代において新しく求められる芸術が必ず現れるのです。
今は少し沈んだ時ですが、必ず浮いてくる時があります。
ダメなものこそ良くなるチャンスを持っているとも言えます。

何かの手がかりとしての傾向を考えるならば、ひとつ面白い報告をしておきます。
今、学校で子供達の描く絵が均一化しています。
子供達は皆同じようなテーマと構図の絵を描きます。
ワークショップという体験型の芸術系教室が流行っていますが
そこにおいても独創性よりも作品の完成度の方が重要視されているように見受けます。
独創性が急速に失われたようにも思えます。
今までなかった新しい事を考えるよりは誰かに習って充実した作品と時間を得る
という考えだと思われます。
日本人は突拍子もない新しい事をするのが苦手だったのでしょう。
我々の民族には他と違う得意な方法があるはずです。
世界一の長寿国ならではの時間をかけて磨いた芸術、そういうものが
新しい日本の文化として成熟していくのかもしれないと考えました。
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by tatakibori | 2011-11-20 14:13 | 仕事 | Comments(0)
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