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古事記千三百年

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今年は太安万侶によって古事記が献上されて1300年です。
語り部によって伝承されてきた物語を書き留め壮大な歴史物語として
編纂する事業はたいへんなものだったと想像できます。
なにせ当時はまだ文学などというものは無かったのですから。
古事記は読んでみれば分かりますが漢語のオンパレードで
当時すでに漢字はおろか中国の思想や歴史なども日本では常識となって
いたのが想像できます。
冒頭の「無名無為」の出典は荘子であるのは明白ですから「史記」も
輸入し研究されていたと思われます。
漢字の伝来は私達が学校で習ったのは4~5世紀頃ですが、
ほんとうはもっと古い時代で紀元前200年とも今は言われています。
万葉集は古事記の少し後で八世紀後半になります。
万葉集の最初の歌は雄略天皇(418~479)の御製です。
5世紀にはすでに和歌はたいへん重要なものとして朝廷でもさかんに詠まれていたと思われます。
もちろん記録もされていたのでしょう。
古墳時代と言われる雄略天皇の時代には朝鮮出兵などもあり、すでに大陸との交流も多くあったのです。
万葉集は和歌のスタイルの確立だけでなく、もっと根本的な日本語の統一に貢献したと考えられます。
李白とか杜甫なども万葉集の編者・大伴家持と同じ時代ですから
文学熱は日中で同時に盛り上がっていたようです。
万葉集には漢詩由来の歌もあります。
今の日本語の成立に大きく貢献した古事記、万葉集はすでに「やまとことば」だけではなかったのです。
今年は皇紀2672年ですが、その紀元の頃の純粋なやまとことばである原日本語とは
どんな言葉だったのでしょうか。
漢字伝来で失われた古代文字があるという話も聞いたことがあります。
古代の人々はどのような文字と言葉で暮らしていたのか・・・タイムマシンがあれば・・。
by tatakibori | 2012-01-09 20:53 | その他
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