低音が遅れる

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音楽が好きな友人の多くは「聴く人」ではなくて「演る人」です。
そこで興味深い話を耳にしました。
電気を使わないベースやバスドラなど低音楽器は音の立ち上がりが
録音された音楽のように力がないので遅れて聴こえるのです。
アコーステック・バンドの場合、演奏者はそこで一瞬早めに音を出すそうです。
エレクトリック・ベースや打ち込み系楽器では音の立ち上がりが早くなるので
演奏スタイルも違ってきます。
それならばオーディオマニアのよく言う「タイムアライメント」は制作者の意図と違う場合も出てきます。
そもそもライブの現場ではオーディオマニアの気にする音像定位とか空間表現とか考えてはいません。
音が前に出るとか、ノイズが乗らない、音が潰れないなどが制作者の苦労です。
クラシックのライブ録音でもバイオリンやフルートなら演者のちょっとした動きで再生される音の定位が動いてしまいます。
演奏者には定位という言葉さえ意味が違ってきます。
オーディオマニアの苦労や努力は見方を変えると完全に意味を失うのです。

発信者の立場から考えると、凝りに凝って多彩で力強い表現にチャレンジしたとしても
観賞者がそこを見て感じてくれなければ全くの徒労に終わるという事です。
美術にも音楽でいうオーディオマニアのような受け手の世界が多くあります。
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by tatakibori | 2012-05-19 08:47 | オーディオ | Comments(8)
Commented by HG at 2012-05-23 11:09 x
山田さん
届きました。
なんか気を使っていただいて恐縮です。
じつは母親がすごく気に入って、居間に飾っています。
ありがとうございました。
以前送っていただいたのは、僕の家の居間のスピーカーの上にあります。時々差し替えて飾っています。

昔、楽器をやっていたころ、電子メトロノームで練習をするのですが、メトロノームの音を消せるようになるまでが第一段階。無機的で均一なメトロノームにジャストで音を合わせながら、走らせたりもたらせたり、あるいはスイングさせたり跳ねたりできようになるのが第二段階。
そのうえで尚、人による個性があってタイムがジャストなのにタイム感覚が違うというのが面白いですよね。
Commented by tatakibori at 2012-05-24 07:57
気に入っていただけて幸いです。
そういえば、日本人がフュージョンを演るとリズムが味が無くて突っ走ってしまう
バンドがかつては多かったように思えます。
そういう意味ではオーデイオマニアはある意味で日本人らしいのかもしれません。

Commented by HG at 2012-05-24 10:28 x
近頃、テレビをひねるとAKBなんとかという学芸会みたいなものか、ジャニーズ系のみんな同じ金太郎飴みたいな造られたグループしか目に入りません。
こういうカラオケみたいな音楽しか知らないとすると、今の若い人はちょっとかわいそうかな?と思います。

このまえ、なつかしいPocoの中古レコードを見つけたので買いました。
Pocoはフィルモアイーストだったかの解散ライブで聴いて知りました。
軽い感じのグルーブが持ち味のまさにウェストコースト音楽で、なつかしく思いました。
こういう音楽は、あまり重低音の出ない背面開放型の10インチフルレンジで聞くとバランスがとれます。
間違っても密閉型小口径で位相重視型の偏ったスピーカーで聞いてはいけません。(爆
Commented by tatakibori at 2012-05-24 11:18
今の大学生は親の世代の聴いた音楽をそのまま聴いていたりします。
テレビでやっているのと実際に若者が聴く音楽は我々の頃から一致しません。
昔はラジオが大きな役割をしたのですが今はYoutubeですね。
与えられて出会うより求めて探すからスピードは速いし、対価も低いですね。
Poco、ジム・メッシーナのいたバンドですね。
リアルタイムでないので、具体的な曲が思い浮かびません。
バーズ、バッファロースプリングフィールド、CSN&Y、ロギンス&メッシーナ・・・
そしてイーグルス、ジャクソン・ブラウン、リトル・フィートとつながってくるような気がします。
重低音は必要ないですね。
Commented by JR. at 2013-09-15 23:49 x
「タイムアライメント」は制作者の意図に近付けるためにやっているものです。技術の表面上のことだけを捉えての主張は全く共感できませんな。
Commented by tatakibori at 2013-09-16 21:03
JR.さん、コメントありがとうございます。
私の不勉強で不愉快な思いをされました事、
申し訳ありません。
以後、つまらぬ記事を書かぬよう努力いたします。
Commented by pink at 2017-02-05 18:50 x
「オーディオマニアの苦労や努力は見方を変えると完全に意味を失うのです。」
・・・
ハイ、私もかねてからそう思っておりました。
レコーディング・エンジニアなど製作側のブログを拝見すると面白いですね。
Commented by tatakibori at 2017-02-07 06:42
pinkさん、古い記事へのコメントありがとうございます。あらためて読んでみても、私の気持ちは変わっていません。今の時代の風潮として、どんな芸術でも作品を商品として売り出すとなると「落ち度が無いように」ばかり気をつかっていてアーテストの表現が制約されている部分があります。作り手の苦労は多くなっているように思えます。
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