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ガラパゴス

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ガラパゴス諸島は赤道直下の南米エクアドルの沖900kmにあります。
他の世界と隔絶された進化をとげた動物が多くいるとされます。
ダーウィンが進化論の着想を得た地域として知られています。
日本で今、ガラパゴスと言えばビジネス用語の「ガラパゴス化」です。
じつは最近まで知らなかったのですが、2006年ごろに定着した言葉で
日本の閉鎖的な市場や規格で世界標準から離れてしまって結果的に
現在の家電不況の原因となった携帯電話などの事を示すそうです。
反対語は「グローバル化」でそれぞれ鎖国、開国と同じような意味です。

日本のガラパゴスの象徴は軽自動車だと思います。
戦後、日本の発展に必要だった自動車の普及のため
安価な小型自動車の規格として登場したのですが、
今から思えば敗戦国の屈辱的な情勢が大きく関わっていたのは明白です。
為替が1ドル=360円は、円は360℃だからと適当に決められたそうですが、
同じ数字の360ccという排気量の規格が鈍い動きしか出来ないアンダーパワーの
自動車を押し付けられたように考えられます。
当時のYS-11という国産旅客機がおそろしく非力なエンジンを積んでいたのは
軍事転用できない重い足枷だったのは間違いないと思います。
従順な日本人はそれでも国産軽自動車を愛して、やがてスバル360という名車を誕生させます。
さらにホンダN360の登場で軽でもスピードを楽しめる技術を確立させました。
軽はやがて550ccから660ccへと排気量の拡大と、安全性の向上の為の
大型化を経て現在の規格へとたどり着いています。
一部の国には少し大きなエンジンを積んで輸出されているようですが
ほぼ国内専用で世界には通じない、売らないガラパゴス商品です。
しかし、今や世界に誇る日本の製鉄やエンジン制御の技術で安全性、走行性能を
向上させて貧乏臭さ皆無のキュートな商品に育ったのです。
ガラパゴスでも良いとは言いませんが、
いかにも日本人らしい物事の進め方、磨き方がここにあります。
by tatakibori | 2012-11-06 15:22 | 日々の生活
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