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雑誌その3 休刊

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かつて「銀花」という雑誌がありました。
文化出版局から1968年から2010年まで全部で161号が発刊されたそうです。
ほぼ全ての工芸系の作家にとってまさにバイブルのような雑誌だったと思います。
手元に残る一番古いのが1969年の第8号で最後は2009年の157号です。
銀花が見つけて特集を組みスターになった芸術家もあります。
その代表が佐藤勝彦であります。
さらに絵手紙の小池邦夫先生も銀花で世の多くの人々の知る存在になったと言えます。
どちらも発行された全ての中に手描きの作品を綴じ込めるという超人的な仕事をやってのけました。
ここまでいかなくても銀花に紹介されると言う事は工芸作家の登竜門であったのです。

写真の69年3月号を開くと現在の陶芸や和装文化、食文化となんら変わらないのに驚きます。
この40年で科学技術は進歩して私達の生活はすっかり様変わりしたように思えますが、
その根底にあるものや豊かさを感じる文化は何も変わらないのを思い知ります。
きっと他のジャンルの雑誌でも同じ事なのでしょう。
美術、音楽、写真、オーディオ、クルマ、ファッションなど40年くらい前の雑誌には
すでに全ての原点が網羅されていたのです。
極端に言えば人間の体の形は5万年前と何ら変わらないのです。
100年以下の時間などでは変わらない意識の方が多くて当然です。
by tatakibori | 2013-02-07 07:48 | 読書
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