クラフトデイズの展望

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美作の工芸作家展クラフトデイズは数多く開催されているアートイベントを
仮想敵としてそこに含まれない美術工芸を紹介して作家の活動を支援するものとしました。
流行の「アートで町おこし」に浅いものを感じていた事もモチベーションになっています。
浅いものというのは経済効果という試算が先行して評価の指標となっている事です。
それはコンビニやレストランの売り上げ、宿泊や交通機関の利用者数などで
示されるものであって、私が思い描いた社会貢献の図式にはないものです。
クラフトデイズは地域の作家の活動と生活を支援するもので、
経済効果においては即効性はないものです。
しかも、作家同士の横のつながりやファンとの交流を促すものは
数値化できるようなものではありません。
里山資本主義でいう原価ゼロ円で効果ゼロ円でもよいのです。
人の気持ちは数値化できないものの代表です。

ところが、私は大きな思い違いをしていたようです。
仮想敵としたアートの世界に住むと思われる人々も
経済効果など理解していないのを知りました。
美術工芸でもジャンル分けは無意味で、美しいものを愛で感動を覚える人は
コンセプトとか手仕事とかたいして意識していないのです。
主催側のある種の人々や周りにいる人が経済効果がどうとかで
分析して評価しているだけだったようです。
ある種の人々とは感受性の低い美術工芸に対する興味の種類が違う人です。

わかり難いので話を自動車に置き換えてみましょう。
自動車が好きでも人によってそれぞれ好きの対象が違うようです。
買うのが好き、お洒落なフランス、イタリア車が好き、
緻密でパワフルなドイツ製高級車が好き、ドライブが好き、
スピードが好き、大事にするのが好きで長く乗りたい人、
合理に徹した4駆、商用車や軽4のマニアまでいます。

人と同じは嫌で個性こそ命というのはよくあったパターンですが、
今から思えばこれこそ浅い自動車趣味の代表のようです。
直接自動車に関わる仕事をしている人々の「好き」は多様で
幅が広くて、最後は同好の士と語り合うような所に落ち着きます。
当然ながら何に乗るかより、どう乗るかの方が重要です。

話が分かり難くなるので、ジャズファンに置き換えて・・・
これこそ狭い範囲ながら多様な世界で自分が何が一番好きか
さえよく分からない人もあるような始末です。
50~60年代しか聴かない、演奏するのが好き、
フュージョン登場以降のお洒落なボーカル系が好きなど
ありそうですがそれもイマイチはっきりしないのが特徴です。
ここの行き着くところは音が鳴っていれば良いというような
側面がありビッグバンドやマーチングバンドが大好きというのは
比較的はっきりしているようです。
それも一理あるし、ジャズの魅力の大事なところです。
音楽が好きという素直な感情がジャズ愛好家にあるようです。

分かり難いたとえ話になってしまいました。
家の中は物で一杯で食器にも家具、置物や絵にも不自由してないから
もうそんなものには興味が無いと言う人もいます。
好きな音楽も固定しているからCDなんか買った事も無い人が多いのは事実です。
そういう意味でこれ以上何かが欲しいと思うような感動はクラフトデイズでは
何も得られなかったという感想を聞きました。
そういう人には作家が集まって自分達だけが楽しんでいたことにしかなりません。

美術工芸展は愛好者があってはじめて成り立つものです。
その世界の理解者が必要なのです。
私が仮想敵としたアートの世界に住む人物像があるとすれば
それはむしろ愛好者であったのです。
基本は美術工芸をどのように理解しているかが重要です。
そういう意味で宣言文を書いて心ある同好の人々に呼びかけるのです。
理解できない人にいくら話して協力を要請しても無理な事が
あるのを痛感しています。
それでも地域の活性化に美術工芸やアートを利用するのは
これからの大きな流れだと思うし、その意義を共感できる人なら
協力してやっていけると思います。
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by tatakibori | 2013-11-20 08:37 | 仕事 | Comments(0)
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