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私の仕事は何処から?2

祖父が本格的に木彫を始めたのは昭和の初めです。
どんな時代か考えてみます。
たぶん、まだ仏師や木彫師が大切にされていたのでしょう。
注目すべきは伝統的な木彫のブームが終焉を迎えはじめていた事です。円空仏が注目を集めました。そして、柳宋悦の民芸運動や彼による木喰仏の研究によってそれまで見向きもされなかった隠れた大衆の芸術が紹介されました。
柳宋悦の作った「日本民藝館」は今も駒場にあるそうです。
ジャンルで分けるとこの民藝運動の一派に私の仕事は一番近いかもしれません。
棟方志功も柳宋悦と親しくその仲間である陶芸家河井寛次郎、浜田庄司など近い関係です。祖父も民藝運動の流れを汲む人たちと多くの交流があったようです。

ここで先日、うめだ阪急百貨店の叩き彫展と同時に作品展を開催されていました、河井久先生を紹介します。河井久氏は島根県安来市の河井寛次郎の生家で生まれ、寛次郎に弟子入りした民藝派の陶芸家です。(1942年生まれ、京都在住。)
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寛次郎の原始の息吹を感じさせるような作風を感じます。これは一つの代表的な民藝の作品と思ってください。
このように柳宋悦の民藝運動の流れを継ぐ人はたくさんいます。

英語では民藝はフォーク・クラフトと言っていますが、私の作品は原始的なのでプリミティブ・アートに近いかもしれません。

話は中断しましたが、こういった時代背景とともに、祖父が大胆な円空のような作風に代わっていったのにはきっかけがいくつか考えられます。
          つづく
by tatakibori | 2005-04-15 20:21
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