六十の手習い

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「退職したら木で仏さまを彫ってみたい」という夢を持っている方が意外に多くあります。
木版画教室だけでなく仏さまの木彫教室はしないのですか?と尋ねられる事もあります。
木版画教室は手ぶらで参加できるようにすべての道具と材料、それにお手本も用意してあります。
叩き彫の木彫教室を開くなら、彫刻用木材とノミに金づち、彫刻刀などが必要です。
木版画用の彫刻刀は子供用のもので充分に使えます。版木は昭雲工房特製の合板張り合わせでコストを抑えています。
しかし、木彫となると素材や道具の単価が別次元のものになります。
それを承知していただく事と木彫の教則本を読んだ事があるか確認しています。
たいていの場合は未経験者の方は予備知識がまったく無く戸惑いの表情で帰られます。
独学で木彫を試みている人には、作品を拝見してその方に合った助言を差し上げるように努めています。
大人の男性の趣味となると、レベルの高いものを提供したいと考えるからです。
ゴルフ、釣り、カメラ、バンドなど色々な趣味がありますが、それぞれに高価な道具や「スキル」が必要になってきます。
木版画ならちょっとだけ体験という方法もありますが、木彫でそれを提供するとなると
開催するだけでも高価な道具や材料を用意しなければなりません。
比較的安価で上手く木彫教室を開催されている方もありますが、
それなりの経験を重ねてこられたベテランや高度な専門教育を受けられた講師のようです。
六十を過ぎてから円空仏の制作に専念して、個展や教室を開くまで発展させた方も多くあります。
木彫には強い情熱と根気が必要だと思います。
夢はたいせつですが、六十になって実行するには、それまでに情報を集め、本を読み、
予備知識を積むのが第一歩だと思います。
当工房へ訪ねてお出でになる前に何をどうしたいか考える事をお勧めします。
それなりの準備がなければ、「やりたい事があるんだ」という話をするのが「やりたい事」になってしまいます。

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by tatakibori | 2016-09-13 20:07 | その他 | Comments(0)
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