直毘神

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直毘神(なおびのかみ)

伊邪那岐命(いざなぎのみこと)が黄泉(よみ)の国の穢(けがれ)を
禊(みそぎ)払われた時に生まれた神さまです。
禍(まが、凶事・罪悪・災害など)を直す神さまです。
本居宣長の古事記伝にある「直毘霊(なおびみたま)」は簡単に言えば、
漢意(からごころ)を排し「かんながら」に帰るという事です。
漢意とは言挙げて対立するような外来の世俗の文化とも言えます。
「かんながら」とは随神、惟神、自然などの文字が当てられ、
人が神代から生まれながらに持つ素直な心というような意味です。
新しい外来文化と日本古来の文化の対比とも言えます。
一例を挙げれば、「袖振れ合うも多生の縁」と言いますが、
偶然による一期一会を大事にすると読むか、
偶然による出会いも前世からの深い因縁による必然の
ものと考えるかの違いのようなものもあります。
映画の「ふうてんの寅さん」は前者の意味のように使っています。
それが日本の古来からの考えであったからです。
昔の戦(いくさ)では勝者が、敵は立派で強かったと讃えたそうです。
ひいてはそれが戦いの正当性や強さのアピールにもつながります。
戦争においても「袖の振れ合い」があり、
「やあやあ我こそは」と名乗る仁義があったのです。
現代のネットやテレビのニュースでは
世界は醜い憎しみや争いに満ちているようです。
しかしひとたび、神仏に向かって手を合わせ、それと心を一つにすれば、
私達の日常はまことに穏やかであると気づきます。
そういうのが直毘神の本質だと思い、今年の伊勢神宮参拝のために
この版画を制作しました。


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by tatakibori | 2017-06-04 20:55 | 仕事 | Comments(0)
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