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私の仕事は何処から?3

祖父(本名:哲サトシ)は明治34年生まれ。棟方志功より2つ年上でした。1901年生まれですから終戦の年には44歳。働き盛りの時代に戦中戦後の不景気があったわけです。当然、木彫など売れるはずも無く出雲大社の土産のオオクニヌシノミコトを彫ったり親族と組んで郷土玩具の土鈴を作ったりもしたようです。
戦後はとくに開拓農業をしながら自分の独自の世界を切り開いていったようです。円空や木喰のことは知らずに同じような素朴で大胆な作品を残しています。
そんな時代に棟方志功と出会って共感し、励まされ仕事も紹介されたり大いに張り切ったようです。昭雲は多感な20代前半に棟方志功に出会いました。後年、東京のアトリエでも直接の指導まで受けたそうです。
脳梗塞を患ってからの祖父を棟方志功は東京へ招待し自宅へ泊め、タクシーを雇って東京見物したそうです。もっと驚くのは金に苦労していた父へ製作を手伝った自作品を「お金に替えて生活の足しにしなさい。」と出した事もあるそうです。
何もかも棟方志功の励ましや応援があって始まったことなのです。恩義があります。
私は一度だけ会ったことがあります。中学2年生の時に倉敷で講演会があって聴きに行ったのです。会ったと言うより見ただけです。
どんな人だったかと言うとエンターテイメントの人でした。楽しい話を落語家のようにどんどんします。土門拳と沖縄旅行をした話を憶えています。芸術家は話も上手くなければならないのかと驚きました。

          つづく
by tatakibori | 2005-04-20 07:17
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