棟方志功には恩義があります。恩返しをしなければと常々思っております。
そこで最近思っている事ですが、木版画をもっと積極的に製作します。世間には棟方志功風の版画を彫る人はたくさんありますが、私から見れば一つの強烈な側面のみを取り上げて安易なモノマネが多いような気がするのです。志功の計算された美しい線やバランス、素晴らしく洗練された文字をアクの強いものと勘違いしているのでしょう。
私なりの棟方志功流をやってみたいですね。
それと、ネットオークションや古美術商で見かける棟方志功は全部贋物です。これは2ちゃんねるにもその専用の板があるくらいで有名な話です。まだ知らない方は是非とも憶えておいて下さい。
近年は審査が厳しく東急百貨店の鑑定では本物でさえはねられる事があるそうです。正式な鑑定のあるものを買いましょう。(鑑定書の贋物もあるそうですから要注意なんですけど・・・。)
棟方志功は今から30年前の1975年9月に72歳で亡くなっています。私が高校を卒業して上京して間もない頃です。父の名代として兄が葬儀に参列しました。保田與重郎先生とその門下の方が葬儀を仕切っていたそうです。
私は13歳の時に講演を聴きました。おそらく私と同世代の人で生の志功を知っている人は少ないでしょう。そういう意味では自分がだんだん貴重な存在になりつつあると思っています。
つづく