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続:レコードの音

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レコードの音がどうで、CDの音がどうとか言うのは
レコードが先にあって後からCDが出て聴き比べる場合がほととんどです。
CDが出始めた初期の80年代半ば頃には両方が同時発売の事もありましたね。
あの頃にはCDはどうも低音が弱いような気がしていました。
それからCDの音は変化して古い音源もデジタルリマスターとか
再編集されてきました。
最近は刺激が強いと言うか場合によっては歪が気になる録音が多く
それでよけいにレコードの方が良かった、となるように思えます。
インターネット上で見かけた話題で、オーディオマニアではない人も
「デジタルリマスターより初期に発売されたCDの方が良い音だ。」
と書いてあるのを見たことがあります。

今回は昨年発売されたボブ・ディランのCDのLPレコードを手に入れたので
聴き比べてみました。
これはCDのためにデジタルで録音されたものを使ってアナログの
レコードにしたものです。
これはハッキリ差が付けてありますね。
レコードは音がまろやかで刺激が抑えてあります。
カートリッジがMMでもMCでも同じです。
ボリュームを上げて聴くにはアナログが良いようです。
それ以外には特に音質に差はありません。
よく聴くと低音がアナログには独特の「揺らぎ」があるような気もします。
CDにすごい低音が入っているという事もありません。

何度も繰り返して聴いているとアナログの音作りが疲れなくて良いと思いました。
この場合は、方式による差というのはたいしたものではないですね。

モダンタイムスはボブ・ディランとしては31年ぶりにチャートNo.1になった
アルバムだそうです。
まさに大人のロックという感じで渋い音楽です。

ディランは
「現行の音楽をすべて忘れて、ジョン・キーツやメルヴィルを読んだり、
ウッディ・ガスリー、ロバート・ジョンソンを聴くべき」と後進のアーティストに提言しています。
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モノを作る人間として私は全く同じ意見です。
今、売れているとか人気がある作家だとか雑誌などで情報を仕入れたり、
ギャラリーに出かけても得るものはほとんどありません。
私の場合なら棟方志功やピカソなど好きなモノを見ているほうが
よっぽど創造意欲が出てきます。
今の話題のモノは刺激が強くて面白そうですが
ひまつぶしくらいにしかならない場合がほとんどです。
基本や原点を知らない作家が増えている事もありますね。
by tatakibori | 2007-11-23 19:22 | オーディオ
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