サクラの版木

炫火頌シリーズには厚さ18mm以上のサクラの板を使いました。
もちろんほとんどの作業を叩いて彫ります。
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板は大正時代に建てられた家の廊下の古材です。
板になってからすでに90年以上経過しているものです。
木版画はシナ合板の6~9mm厚のものを使う人が多いようです。
合板では叩いて彫れません。
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陶芸でいうと電気の窯のようで味が出ません。
いや、出すテクニックはあると思います。
サクラの厚い板を使い慣れた人ならその持ち味をよく知っていますから
細かなテクニックでその差を詰める事が出来ると思います。
電気の窯でも薪の窯の味を知っている人なら釉薬の配合や
その塗布方法を工夫して面白い味を出します。

デジタル一眼のカメラでも高級機の描写をよく研究すれば
普及機でも似たような味を出せると思います。
でも大切なのは高級機を実際に使ってその個性を把握しないと
その差が分からないという事なんです。
そういう事が木版画にもあります。
贅沢な話です。

時々ですがMDFという繊維をノリで固めたような板に彫ることがあります。
そのままでは使えませんから、墨の吸い込みを押さえるのに
ウレタンを塗ったり、全く味のない線になるから彫るリズムに
細かな変化をつけたり、多くの工夫を加えます。
サクラやホウの板が全く手に入らないようになったら、
まずは集成材を使おうと思います。
その次としてはシナ合板なのでしょうが
厚さが6mm程度の合板では叩いて彫れないし
味も出しにくいのでMDFの方がマシかもしれません。
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by tatakibori | 2008-01-18 20:23 | 仕事 | Comments(3)
Commented by ウッディ安藤 at 2008-01-18 21:43 x
こんばんは。
素材の木というのは大切なんですね。
確かに木にはそれぞれ個性があって、
仕上がりも違ってくるんでしょうね。

私の冬の楽しみは薪ストーブでして、
もう十数年来2台のストーブのお守りをしています。
主にクヌギ・ナラ・カシなどの堅い木ですが、
たまにサクラの木も手に入ります。
薪としては良いものではありませんが、
木肌の感じと香りは大変良いものです。

木にはいつも感謝しています。

Commented by yuriko,S at 2008-01-19 06:01 x
〜そこに素材あれど、木も土も、如何に生かし作品にしてゆく事は、それは、感覚を超えて、長年培われた『手』が作りあげてゆく、その素材を手が、見事に姿を変えてゆく、その『手』に感動しています。〜荒練り、菊練り、でその感触を味わいなさいと申されました〜
Commented by tatakibori at 2008-01-19 08:48
ウッディ安藤さん
サクラの煙は燻製にするのに一番良いですね。
なんとも言えない甘い香りがします。
薪ストーブ2台とは贅沢ですね。
今は生活にゆとりがないので無理ですが
そのうち薪ストーブを使ってみたいと思います。
独特の臭いがまた味がありそうです。

yurikoさん
陶芸も面白いですよ。
先生はけっこう仕事に対して頑固ですから
それもまた楽しいですよ。
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