味のある文字

d0006260_19242476.jpg

今回の叩き彫展の案内状の封書に入れた手書きの紙です。
味のある文字と言ってくださる方が多く、ありがたい評価だと思います。
文字を書く心得は「無作為」だと思います。
天衣無縫とか天真爛漫な表現者として語られる絵描きにも
よく見ると作為が強い場合があると思います。
文字にはそれが最も端的に表れるようです。

芸術家は期待に応える為に何かを演じてしまう場合が多くあります。
根は普通の生活人なのに破天荒なイメージがある人も多いと聞きます。
しかし文字はウソをつけません。
自分を何かの枠にはめて粋に見せようとする文字は
純粋さを伝えられないと思います。

はっきり言いましょう。
佐藤勝彦と棟方志功は似て非なるものの典型、
同列に語るのは大きな間違いです。
榊莫山、清水公照はまあまあ良しで、小池邦夫はイマイチです。
片岡鶴太郎など「粋」の見本、芸能人らしい浅いものを感じます。
あいだみつをの文字には欠落した何かを感じます。
中川一政には豊かさが少ないし
そこまで言えば鉄斎さえもリズムの間を感じません。
私の好みが分かっていただけるでしょうか?
書としてどうか、芸術性がどうとかじゃないのです。
人となりの純粋さが出るのだろうと思います。
ロックなら中身のないヤツは見分けがつきやすいのですが
この分野は繊細な分野で深い洞察力が必要です。

そんな事を考えながら何かを求めて
これからも書き続けていきたいと思っています。
ただの下手な文字と見るのは正しい判断だと思いますが
その中に純粋な味を見出して下されば私の幸せです。
[PR]
by tatakibori | 2009-06-21 19:56 | 仕事 | Comments(4)
Commented by cozy at 2009-06-22 16:52 x
阪急での展示会 お疲れ様でした。

これはすごく味があり、封筒から取りだした時のインパクトは強烈でした。
強力なキャッチコピーでおそれいりました。
これは才能がないと書けない文字です。

↑の名刺も同様です。
Commented by tatakibori at 2009-06-22 18:32
cozyさん
ご来場ありがとうございました。
キャッチコピーですか。
ある意味そうかもしれませんね。
この場合は言葉自体にはほとんど意味は無く
ビジュアルとしてのメッセージが優先されます。
Commented by HG@会社 at 2009-06-23 10:04 x
>片岡鶴太郎など「粋」の見本、芸能人らしい浅いものを感じます。

同感です。
しかし、それらしく見せるというテクニックに関してはプロ並みだと思います。

仕事柄、いろいろな作家の方にお願いして、本製作の前にエスキスなどをしてもらっています。
はがきサイズの小さなスケッチであってもその作家の全てが現れるのは当然なのですが、文字にも現れますね。

最後に作品を説明するための短文を提出してもらっています。
それらのエスキスやスケッチや文字などは今でも僕のところにあるのですが、個人的には宝物です。
中には本人がすでに亡くなっている人もいますが、没になった原画は、本来は作家のところに戻すべきなのかもしれないなーと思ったりもしています。

版下として工場に送られて日焼けしてボロボロになったものもあれば、20年前当時のままのものもあります。
コピーだと気楽でいいですけどね。
でも著作権があるから本人の承諾なしで公にはできない類のものです。
Commented by tatakibori at 2009-06-23 13:37
HGさん
鶴太郎はその辺のデザイナーより優れていると思いますよ。
私の理想は棟方志功の手紙の文字です。
生で見ると天才はこうも違うのかと感動します。
なんでも無い走り書きにこその人柄が出るのですね。
HGさんの手持ちのエスキスなどもそういう魅力があふれているのだろうと想像します。
<< 手書きの名刺 天才と私の関係 >>