<   2010年 01月 ( 12 )   > この月の画像一覧

DC録音

レコーディング・エンジニアの五島昭彦氏にお会いしてお話を伺いました。
d0006260_15171735.jpg

この左右に伸びるバーの端にテープで留めてある小さな黒い粒が
ゼンハイザーのマイクロホンMKE2です。
このワンポイントともいえるマイクだけでピアノトリオを録音します。
場所はピアノとベースの間でピアノに隣接したスタンドに固定です。
ドラムは音が大きいからここがベストポジションのようです。
d0006260_15214515.jpg

レコーダーは持参した機器の中では予備のM-AUDIO MicroTrackです。
たったこれだけの小さな機械で売り物になるような録音が出来るというのが不思議でなりません。
コンサート終了直後にヘッドホンで聴かせていただきました。
非常にクリアで楽器の分離やバランスも良く、立体感もある音でした。
機器の性能もさることながら、エンジニアの技術には驚くばかりです。

五島氏が同様の方式で録音したCDが2月24日に発売されます。
「サムデイ・ライブ・イン・ジャパン」マグナス・ヨルト、ピアノトリオです。
「福のたね」というオンラインストアで購入していただけるとありがたいそうです。
もちろんアマゾンやHMVなどでも予約可能です。
一足先にデモ盤を借りて聴いてみました。
デジタルなのだからかもしれませんがウッドベースの音がクリアで重くドキドキするようです。
デジタルならではのダイナッミックレンジが本当に生かされた素の音のように思えます。
リミッターを最大限に利用した大音量と違って生々しい大きな音が出てきます。
スピーカーは最新のマークオーディオのフルレンジがじつに良く合います。
実際のライブではステージの中で立って聴くのは不可能ですから
バランスや音の広がりは客席で聴くのとは違いがあり
人の手が入った臨場感がプラスされるのが不思議です。
これぞ21世紀のオーディオだと思いました。

五島昭彦氏のブログ
福のたね
(五島氏は金田式DCアンプの金田明彦氏の弟子、某大手メーカーでSDカードの開発などされたそうです。)
[PR]
by tatakibori | 2010-01-25 15:47 | オーディオ | Comments(7)

立体画像

目は2つあってその見える差を感じて立体を認識しているそうです。
3D映画が話題になっています。
専用の眼鏡をかけてスクリーンの一つの画の中にズレのある隠れた2つの画像を見て立体を感じるのだと思います。
錯覚を利用して立体を感じるのですね。

片方の目しか見えない人は立体の認識が普通の人とちょっと違うと思います。
片目を閉じてクルマを運転してみると、最初は距離感がつかみにくいですが
すぐに慣れてきて慎重にやればなんとかなりそうに思えます。

それならば、
例えばこの写真を先ず両目で見て下さい。
d0006260_202121.jpg

そして見慣れた部屋の中を見て下さい。
片方の目を覆って下さい。
利き目だけで部屋の中をしばらく見ます。
そのまま片目でもう一度モニターの中の写真を見ます。
そうすればやや写真が立体的に見えるような気がしませんか?
両目で見るより少しだけ立体的にみえるような気が・・・(笑
[PR]
by tatakibori | 2010-01-23 20:25 | 写真 | Comments(2)

命を犠牲に

著作権があるので少しずるい表記をしますが・・
d0006260_21223070.jpg

今の30代の人達に最も人気の某バンドのある歌の冒頭です。
作った人は1970年生まれ、発表は2002年です。
この歌を聴くと1970年のあるプロテストソングを思い出します。
d0006260_21245254.jpg

作者は1947年生まれで団塊世代です。
当時はもっとストレートな「戦争を知らない子供たち」という歌が流行りました。
反戦歌というよりも親の世代の価値観への反発が大きいのが特徴です。
今より親子の絆も強かったのだろうし、甘えられる社会もあったのでしょう。
上の歌はそれより美しい詩だと思いますが、今の若い世代が抱える寂しさを感じます。
「自己責任」という言葉が浮かんできます。
70年代に流行った歌は「とても自己中心的な恋愛感情」と若者は言います。
甘えが許された古き良き時代だったのでしょうね。
あの時代のヒット曲をみていくと「よこはま・た・・・」など詩がとんでもない歌もあり
時の移りを感じてしまいました。
それほど深く読むものではないようです。
[PR]
by tatakibori | 2010-01-22 21:45 | 音楽 | Comments(4)

毎年恒例の叩き彫展です

d0006260_14414645.jpg

今月末29~31日、金曜日から日曜日までの三日間
地元・津山での作品展です。

例によって看板など書きました。
筆を持つ度に自信を失うのですが
とにかく書かなければ上達もありえないと書き続けています。
先人の墨跡に学ぶしか方法はありません。
不思議に、じっと見ていると筆の動きが見えてくる事があります。
d0006260_14494964.jpg

練習作です。
d0006260_1450432.jpg

[PR]
by tatakibori | 2010-01-19 14:52 | 仕事 | Comments(2)

実在感

d0006260_18424377.jpg

実在感はリアリティですから原音再生であり個々の楽器の解像度だと思います。
これは空気感とは違う極です。
その間には空間感、音場感、音像定位と言葉があるようです。
音像定位はステレオの2つのスピーカーで表現される楽器の位置が聴感上特定できる事です。
音場感とは人や楽器がステージ上に並んでいて、反響がそれに加わり音が立体的に表現されるさまです。
空間感は空気感と似ていますが空気感が音が無い状態の部分が多いのに対して
音が鳴っている状態の広がりのようです。
これらは順番に空気感、空間感、音場感、音像定位、実在感と繋がってくるようです。
音がない状態から楽器が朗々と鳴っている状態への繋がりです。

パソコンで音楽を作る作業を教えてもらった事があります。
実際にはトランペットがなく、奏者もいないのにPC内の音源を使って
トランペットの音を加える作業です。
その音は楽器が鳴っているにはほど遠く変な音です。
何が違うかと言うと音の始まりと終わりがなくて
いきなり始まって1本調子な合成音が鳴りスパッと切れて終わるのです。
そこに音の始まりと終わりの余韻を付けると少しだけリアルな楽器の音になります。
他のパートはシャープな固い音のマイクを近づけて録音してあって
生の楽器やボーカルの息づかいのような表現が多いので
合成音では浮いた感じになるから実在感のある音に近づけるのです。
この音の立ち上がりと余韻が実在感のひとつの大きな要素だと私は思っています。
そういう情報量の多さが優れた音像定位を現し
ボーカリストの口が実物大に見えるようだという魔法の錯覚まで生み出すのです。

オーディオにおける静寂というのは無音の状態ではなくて
この音の立ち上がりと余韻の表現の事です。
ただの無音の状態なら、耳をすませば耳鳴りが聴こえるだけです。
ipodと高級CDプレイヤーの最も顕著な差は静寂感です。
表現に使われる言葉は多く複雑で、理解に時間を要しますが
その理由は一つの大きな要素によるものですから
そこを注意して聴き比べるのが判断を速くするコツです。

ここまで書いて、初期の目的であったアナログシステムの提案は
完全に方向を見失ってしまったようですが、考える指針の一つは
示せたのではないかと思います。
オーディオは趣味だからパソコンを選ぶのとは少し違うようです。
音楽を聴く時はどうしてもスピーカーを眺める時間が長いですから
インテリアとして許せるルックスも必要だと思います。
自動車よりも楽しめる買い物ですから他人にその楽しみを
差し上げるより自分で骨までしゃぶって味わいましょう。(笑

            おしまい
[PR]
by tatakibori | 2010-01-11 19:30 | オーディオ | Comments(2)

空気感

d0006260_19221866.jpg

わかり難いオーディオ用語について考えてみます。
先ずは「空気感」です。
Wikipediaによると
芸術表現に用いられる形容の一つ。そのものが直接的に表現されていなくても、
間接的な情報のみで存在することが示唆されている様子を表す。
写真表現で用いられる場合は、二次元である写真がまるで立体のように見えることを指す。
被写体距離との距離に応じたコントラストの変化による空気遠近法やフォーカス面からの
微妙なボケにより立体感が表現されていたり、
収差によるレンズ効果が少なく現実感に富んでいることを指す。
また、特に優秀なレンズの形容に使われることがある。
と、あります。

本来は写真用語ですから例によってオーディオに応用される事が多いのもうなずけます。
私は、オーディオにおける空気感とはホールの広さを表現するような事ではないかと思っています。
実際には年老いた我が耳には聴こえないはずの13000Hz以上のスパーツイーターを追加してみると
そのような場の空気、ホールの広がりを感じる事があります。
単に3次元的な表現の事を言うなら音像定位など違う言葉もあるからたぶんそれに違いありません。
オーディオマニアで有名だった五味康祐氏は難聴で人と会話するにも難儀したそうです。
彼を知る人は皆「一町先からでも聴こえる様な大きな音を鳴らしていた。」と言います。
当然、10000Hz以上の音など全く聴こえてなかったでしょう。
驚く事に、それでもオーディオは楽しめていたのです。
13000Hz辺りが限界の我が耳ですが、11000Hz辺りでカットしてもたいした影響を感じないはずです。
ところが実際には高域をカットすると音が2次元的に感じられたり歪が多く思えます。
実際に高音が良く聴こえる若い人より難聴に近い私の方が音の歪を嫌う傾向があります。
非常に高い周波数の音はスパイスのようなものと言われますが
そうではなくて音の透明感や3次元的表現に大きな影響を持っているようです。
13000Hzでカットしたスーパーツイーターも10000Hzあたりの音はけっこう出ていますから
それを追加すればなんとなくすっきり広がるように思えるのでしょうね。
やや乱暴ですが、空気感とはすっきりきれいな高音が出ているという意味だと思いましょう。
難聴傾向の人達が大切にする要素かもしれません。
[PR]
by tatakibori | 2010-01-10 19:51 | オーディオ | Comments(2)

オーディオは非科学的

d0006260_1935331.jpg

電子機器だからオーディオを科学的と思うのは間違いです。
科学の実験は誰が何所で行っても再現できなければ理論は正しくないのです。
オーディオはそれぞれ全てが違うと言っても過言ではありません。
同じ音は2つとありません。
最終的な評価が「美しさ」である事も難しいところです。
美しさや心地よさも客観的評価する方法があります。
それは数値化出来るものがあれば数値にして、
できない事柄は何人かの評価者を決めて判定します。
それが科学です。
個人のオーディオの場合はそれが偶然の賜物であっても良い音を楽しめたらOKです。
言葉には出来ない芸術的世界なのでそれを語るブログや評論家は信用してはいけない部分もあります。
形のない、数値化できない、言葉にし難いものを語るわけですから
言葉の定義もあやふやで造語や個人的表現が多いのがこの世界だと思います。
私は多感だった70年代後半に自動車、ジャズ、オーディオの雑誌で評論という文学を学びました。
これらは豊かな未来を向いた憧れの美しい世界でした。
今もこのジャンルは語る楽しさに満ちているようでブログや雑誌も数え切れないほどあります。
伝説がやたらに多いのもこのあたりの特徴です。
[PR]
by tatakibori | 2010-01-08 20:06 | オーディオ | Comments(6)

ダイナミックレンジ

d0006260_15962.jpg

デジタルカメラ、オーディオはもちろん絵画や彫刻だってダイナッミックレンジが一番重要だと思います。
コンパクトデジカメでも美しい写真は撮れますが
たいした腕も無いのに何故高価な一眼デジカメを買おうとするのか・・・
行き着くところはダイナッミックレンジの広い表現に期待するからだと思います。
私の場合ですが、オーディオの究極は生演奏と同じ音量を低歪で再現することです。
フルオーケストラやビッグバンドは再現不可能ですが
小編成なら15インチウーファーのスピーカーでけっこう良い感じの大きな音が出ます。

例えば画用紙に12色の色鉛筆で絵を描こうとすると写真で言うダイナッミックレンジの狭さに驚きます。
それでも慣れてくると色を複雑に重ねたりコントラストの表現を思いついたりしながら表情は多彩になってきます。
小学生用の水彩絵の具でも同じです。
色を混ぜたり、白や黒を加えたり、油彩のように厚く塗ってみたりしませんでしたか。
棟方志功は、まるで絵を描く時に絵の具の色が足りなければ混ぜるように
言葉が足りなければ自分流の新しい言葉を作り文章を書きます。
読み慣れてくると、それがよりその意思を伝えるにふさわしい表現に思えてきます。
彼こそ言葉のダイナッミックレンジを超えた天才です。

デジタルカメラの場合は機械の持つダイナッミックレンジを超える表現は難しいと思いますが
オーディオの場合は小口径フルレンジスピーカーでも豊かな低音を感じる事が可能です。
それはあくまで疑似体験というか錯覚を利用するわけですから
聴く側の人間にもそれなりの準備や作法が必要だと思います。
オーディオはなんと芸術的行為なのでしょうか。

       まだまだつづく
[PR]
by tatakibori | 2010-01-07 15:30 | オーディオ | Comments(12)

レコードプレーヤー

d0006260_1073427.jpg

新たにLPレコードで音楽を楽しみたい方があって
そのための装置を提案しようと考えてみました。

必要なのは先ずはレコードプレーヤーです。
調べてみると安価な製品では1万円以下でフォノイコライザーまで備わって
ミニコンポ等に接続するだけでお手軽にレコードを楽しめるものがあります。
しかも一部のマニアの世界ではこれがとても良い音質と言う噂もあります。
最新の製品ではさらにUSB出力が備わっています。
という事はアナログ信号をデジタルに変換する装置が内蔵されているのです。
そのままiopdにLPレコードを録音できてしまうものもあります。
構造的にはDJ用のダイレクトドライブモーターとリスニング用のベルトドライブと2つに分類できます。
ベルトドライブは軽量コンパクトで安価です。
ゴムベルトが数年で劣化する事を考えれば重量のあって丈夫なダイレクトドライブの製品が良いと私は思います。
サウンドハウスで売っているレコードプレーヤーはDJ用でデザインが乱暴な外観ですが
アメリカンオーディオ、Numark・・など信頼性も高そうです。
カートリッジはシュアーM44系などロック、ジャズ向きです。
国産ならオーディオテクニカのVM型もあります。
カートリッジが付属していない機種を購入して自分でカートリッジを選ぶ方が楽しみがあるようです。
DJ用はダストカバーとターンテーブルのゴムマットが付いていない機種もあるようなので
その辺は良く調べる必要もあります。

私が今使っているプレーヤーは大学生の頃に購入した2台です。
30年以上修理はしていません。丈夫なものです。
ヤフオクで中古で購入すると言う手もありますが管理状態など不安があるので
全部が初期の性能を維持しているかどうか疑問です。
アナログレコードの再生には経験と知識が必要ですから入門に中古というのは難しいかもしれません。

本質的にすべてのレコードプレーヤー、カートリッジなど音質的には優れた性能を持っているそうです。
ただ装置の組み合わせでは鈍い音になる場合もあります。
その辺がアナログ再生のおもしろさなのです。
ipodは誰が何所で聴いても安定した音楽を奏でます。
カーオーディオも狭い固定した空間で手軽に高音質を楽しめます。
LPレコードで音楽を楽しむというのはそれとはちょっと違う趣味の世界だと思います。
音を変える要因はあまりにも多く同じ音源でもipodと違ってそれぞれの人で全部違う音を聴いているのです。

       ・・・話は長くなるので続きます。
[PR]
by tatakibori | 2010-01-06 10:42 | オーディオ | Comments(0)

輪郭強調

d0006260_19375910.jpg


年末に倉敷の大原美術館へ行きました。
印象派の部屋にセガンティーニ「アルプスの真昼」があります。
モネやルノアールなど柔らかい表現の絵に比べると
強い光でシャープで細かな表現のように見えて
多くの人は「細かく描いてありますね~。」と言います。
でもよく見るとコントラストが強く、写真でいうアンシャープマスクが
強くかけてあるような表現でルノアールと細かな表現のレベルでは
似たようなものと私は思います。
それよりも驚くのはフォトショップの無い時代に輪郭強調のような
表現方法を思いついた事だと思います。
当時は写真が発明されて瞬間を切り取るという全く新しい表現が
絵画にも応用され始めたばかりの時です。

写真の発明はエジソンが録音を発明したのとほぼ同じ時代です。
この2つはいつまでも似たような技術の応用で進歩してきたようです。
セガンティーニが用いた強い表現方法がアンシャープマスクの
発明に結びついたようにも思えます。
セガンティーニは「アルプスの真昼」のような強い光だけでなく
多彩な表現を持った画家です。
録音における1本調子な強い輪郭強調は何故行われるのでしょうか。
音はシャープでやや固い表現の方が耳に残りやすいので
無意味にそういう方向へどんどん流されたかもしれません。
デジタル写真の元々の素のデータはメリハリの無い鈍い絵だそうです。
カメラが適当にコントラストを上げ、輪郭強調をして
「わぁ~、キレイだ~。」と皆が喜ぶように自動で加工してあると聞きます。
写真ならデジタル一眼でRAWデータから自分の好みの処理を行う方法がありますが
レコードやCDの鑑賞ならすでに加工してある音ですから
自分で味付けを変える幅はとても狭いようにも思えます。
レコードを芸術として楽しめる最も手軽な再生装置とはどんなものか
考えてみようと思います。
皆さんのアドバイスもお待ちしています。

    つづく
[PR]
by tatakibori | 2010-01-04 20:19 | オーディオ | Comments(6)