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老化

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耳鳴りは耳の神経付近の血液が流れる音とも言われていましたが、
どうやら脳や神経の老化が原因という説が主流のようです。
私の聴力は加齢とともに確実に衰えて、今は13000Hzの音は
完全に聴こえません。
でも気を遣っていれば仕事や生活には支障はありません。

問題は視力です。
老眼はさらに進行していて、運転中のナビの確認では
微妙にメガネの枠の外で見るというテクニックが必要です。
カメラの操作パネルの表示は見えないので、とっさに
設定の変更をする作業は夜には不可能になりました。

大事な問題は色や明るさの判断です。
印刷物の制作で写真の明るさの判断で少しばかり
言い争いになった事があります。
相手は同じ年の男性です。
ネット上のブログや掲示板の写真でも明るさや色合いに
違和感を感じる事があります。
私よりかなり年長の方の写真ブログでもたいへん美しく
安定感のある色合いを表現されていますから、
そのあたりの視覚神経の老化には大きな個人差があるようです。

白内障になるとすべてが黄色にかかって見えるそうです。
そういう方は派手めの発色のテレビがちょうど良いと言います。
手術で治療したら世の中がビックリするくらい派手な色に
見えるようになってテレビを買い替えるかもしれません。

もともとの個人差や性差もある上に老化も加われば
人が見ている色は千差万別とも言えます。
逆にそれを生かして個性的な色の表現が出来る人もありそうです。
その場合は客観的な判断が出来る人がサポートしなければなりません。

自分が見えて判断している色が正常かどうかの
デリケートな部分は分からないと思います。
ある人が美しいと思う色合いでも、他の人には
それほどでない場合も多くあるようです。

音に色が見えるという感覚を持つ人がいます。
特殊な才能ですが、脳の中である部分の発達が
うまくできなかった症状だとも言われます。
ミュージシャンにはそういう人がたくさんあります。
劣った感覚と優れた才能は紙一重なのです。

芸術作品が人に認められるにはそういう感覚の共有が
必要というなら、努力してもどうにもならない事です。
通じ合える人に多く出会うのが認められる最短の道です。
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by tatakibori | 2014-10-31 07:57 | 日々の生活 | Comments(0)

此秋は何で年よる雲に鳥

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芭蕉の最期には、この句の前に
「此道や行人なしに秋の暮れ」があり
後に
「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」があります。

似たようなテーマの句ですが
「此秋は・・」は死を予感した心情があり
「此道や・・」は一生を振り返った孤独と覚悟があります。
辞世とされる「旅に病んで・・・」にはすでに風雅を思い続ける希望が見えてきます。

解説本には「雲に鳥」の出典として陶淵明や杜甫の詩句のようだと
書かれていますが特定はされていません。
この古い日本の死生観がどこから来たのか大いに興味があるところです。
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by tatakibori | 2014-10-25 19:50 | 仕事 | Comments(0)

保田典子歌集「童子」

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作者「あとがき」より

近親の者を亡くした時、うつし身は消え去つて了つても、
霊魂だけは鳥に宿るといふ、古代の人の信じてゐた考へ方は、
當時の私にとつて何よりもの恃みでありました。
私もさう信じたいと思ひました。
息子に先立たれた頃のこの三尾の山の庭には、
数へ切れない程のさまざまの野鳥が來啼いてをりました。
季節によつて入れ替り、美しく啼いたり珍らしい姿を見せて
くれたりしました。
窓近く來れば私は呟くやうに話しかけたりしたものです。
それらの鳥の名を知りたくて図鑑をいつも手許に置いて
「きゝなし」の聲をたよりに覚えようと努めてゐたのです。
それで保田は鳥影をみとめると必ず私を呼んで、
あれは何の鳥かと訊ねたものでした。



此秋は 何で年よる 雲に鳥   芭蕉

たまかぎる 夕くれなゐの いろ沁みて 泛べる雲に 入りし鳥はも 
                             保田典子 「童子」
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by tatakibori | 2014-10-24 20:56 | 読書 | Comments(0)

家と出家

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家という概念が日本の団結力の根源になっていると見た
占領軍は民法の家制度を見直す事によって
日本を骨抜きにしようとしたそうです。
憲法よりも教育勅語や家制度の方が重要だったのです。

法律に関わらず日本は旧来から意外にも核家族が多く、
封建的な風土を残すと言われる農村部においても
大家族主義というのは滅多に見られません。
本家、分家という同族意識は地方では今でもあたりまえで
冠婚葬祭や先祖を祀る単位として重要なものであります。

戦前の家制度の特徴は家族が家を出る場合に
戸主の同意が必要である事に行き着くように思えます。
家を出るのは婚姻や養子縁組の事ですが、
法律外の観念として所謂出家というか宗教に入って
家を出るという事もあるようです。
仏教では死をもって家を出るとみなす宗旨もあるようです。

家を守ると言うのはその先祖を祀るという意味で
戸主は先祖を祀る仏壇や祖霊舎(みたまや)を置き
家の中心としてたいせつにします。
現在の日本の仏教では死者を弔い先祖をまつりますから
得度を受け僧侶になったからと言って生まれた家の先祖を
捨ててまつらないというのは聞いた事がありません。

仏さまの像を彫る立場から見ると、家のための仏像というのは
減ってきてきわめてプライベートな個人向けの仏さまが多くなっています。
お守り感覚の身近な仏さまという感覚です。
木彫りの彫刻そのもののあり方が住宅事情や生活スタイルの
変化にともない変ってきているのでしょう。
もともとは仏陀の教えだったものですが、中国を経て日本に
たどり着いた仏教は古代からの色々な考えを取り込み
人々の生活により密着したものになったと考えられます。
手を合わせて祈る行為とその気持ちは宗教を超えて永遠のものです。
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by tatakibori | 2014-10-20 21:14 | その他 | Comments(0)

浄財があれば

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あるお坊さんが印象的な発言をました。
「浄財がたくさん集まれば、もっと立派な本堂が建てられたのに・・。」
普通の「お金があれば・・・」なら、旅行や家とか
高級車とか休暇など想像がつく話ですが住職となると
個人の欲望を超えた何か別の世界に生きているのが分かります。

以前にこのブログに書いた事がありますが、「普請」という言葉があります。
浄財というのは普請のためのお金であり、個人の家やお寺の新築も
含まれますが、本来は社会基盤の整備を相互扶助で行うというような意味です。
お金だけ出なくて労力の提供も普請ですから、駆けつけて手伝うのも
浄財と同じ意味を持ちます。
ボランティアというのは困った人を助ける災害時はもちろんですが、
昨今流行の地域おこし系のイベントでも多くのボランティアが
必要とされます。
アート系のイベントでは参加作家そのものが主役でもあり
ボランティアでもあるのです。
もちろん作家には何らかのメリットがあって参加するのですが、
たいていの場合は労力に比してそれは小さなものでしかありません。
だからそれは浄財に匹敵する価値ある行為だと私は考えます。
作家に限定した話になりましたが、もちろん参加するすべての
人々が浄財でもあります。

話はもとに帰って・・・
「お金があれば・・」ですが、
何をやってみたいですか?
それは、たとえ欲望であっても
行き着くところとなると崇高なものを
持ってくると思います。
世界旅行でしょうか、大学に行って勉強しますか?
多くの場合、自分をたいせつにする行為というのが
その根底にあるように思えます。
人も浄財です。
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by tatakibori | 2014-10-17 20:27 | その他 | Comments(0)

般若心経

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仏さまを彫っているからには般若心経を
勉強しなければならないと思います。
しかし、奥が深いようだし、宗旨によっても
位置づけや理解の仕方に差があるようにも
見えてなかなか手を出せない部分があります。
ここのところ、知人や身内の葬式が続き
お経をじっくり聞く機会がありました。
驚く事にお坊さんによってまったく違う
印象に聞こえてしまうのです。
法話を含めるとさらに死生観など
宗旨だけでなく個人差もあるように思えます。
絶対的な価値観というか畏れ多いものに対する
アプローチには個人差があるようです。
もともと先祖をまつり、死者を送るのは
仏さまの教えでなくて古代中国や
日本の民間信仰に由来するようです。
かといって日本の仏教が本来とは違うものと言うのは
捻くれた考えのように思えます。
理論的にどうなのかは知りませんが、
日本人が太古から持つ信仰心と
仏教との融合というか、磨かれて
生活に馴染んだところが我が国の
仏教の優れたところだと私は解釈しています。

あまりにも難しいテーマなので
私なりに写経をする事がたいせつだと
思い、時々ですが書いています。
書いていると意味よりも
リズムのようなものが強く
印象に残ります。
これも詩であり音楽なのでしょう。
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by tatakibori | 2014-10-14 20:10 | その他 | Comments(0)