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ゲンロン4

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自営業のブログには野球と政治の話はタブーだと思います。
今日は少しそっち方面の話になるので不快に思われる方があるかもしれません。

私が東浩紀に注目したのはtwitterを始めた2010年頃に今のアートを取り巻く
環境について多く発言しているのを読んでからです。
世間では朝まで生テレビでブチ切れて退場した事が話題になっていました。
震災以降の比較的冷静な発言では評論家として優れた見識を示したと思います。
最近はゲンロンという名でカフェと称する公開討論、それのニコ生放送、
そして自ら出版するこの書物で新世代の評論家として生業を立てるという
意味も含めて積極的な活動を展開しています。
これは文筆業を含めたすべてのアーティストの規範となる優れた
ビジネスモデルです。
今年の都知事選挙後に政治学者の山口二郎を招いた対談がこの本に
載っているので読みました。
山口二郎は政治学者ですが、「リベラル」と自称する左派の活動家であり、
それは本業の大学教授とは違って収入を得る手段とは切り離しているようです。
定着した「ネトウヨ」と呼ばれる右派を「反知性主義」とこき下ろし、
その代表である安倍首相を真っ向から批判する「アベ政治を許さない」
というスローガンは彼の発案かどうかは知りませんが、そういう運動の
中心人物である事は間違いありません。
自らを反知性の対極である知性を持ったリベラルと言います。
過去の革命を目指した左翼運動とは違う現実的に政治に働きかける知性は
今までの左派や民進党の代議士よりはるかに上です。
シールズとか都知事選などは結果論では否定しているのが山口らしい判断だと思いました。
自分をナショナリストと言うには少々驚きましたが、これが今の日本の現実だと思います。
簡単なリベラル=グローバリズムという時代が過ぎてしまったのは現時点での
世界の軍事的緊張の影響なのかもしれません。
いずれにしてもリベラルという左派が存在していくにはこの2人がリードしなければ
始まらないと私は思っています。
日本の未来を考えるには彼らから目が離せないとも言えます。
現時点では少数派と言えども彼らが代弁している国民の気持ちを
無視するわけにはいきません。
振り返れば成果の出ない活動が多かったようですが、
次に何を論じて政治に働きかけるのか注目しています。





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by tatakibori | 2016-12-27 19:13 | 読書 | Comments(0)

引き出し

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木版画教室も丸3年が過ぎて、生徒の皆さんも上達してきました。
当初の目標は棟方志功の模写や、それ風の楽しい版画を
体験してもらう事でした。
棟方志功の画集をご覧いただければわかりますが、
楽しい版画ばかりではありません。
アートとしては強いメッセージを持っているのでしょうが、
それを模写するのをためらうような表現も多くあります。
また複雑な表現は素人には無理だったり、
成し遂げても満足感の無いものもあります。
そこで可能なものは簡略化したり、
理解しやすい表現にアレンジしてお手本を提供しています。
でも、数多くやっていくとネタ切れと言うか、
アイデアの引き出しが空になる日があります。

今年のそんな時に眺めていた本を並べてみました。
鳥獣戯画と浮世絵の画集は基本の一つです。
文様の本は古典的なデザインの宝庫です。
浮世絵や江戸期の伊万里焼のセレクトなどは
ハッとするほどセンスの良い本です。
中国から取り寄せた篆刻の本は、かの地では初心者、学生向けの
ものですが、日本のものよりはるかに専門的です。

創作を始めた頃のやりたい事のネタはすでに
使い果たしてしまったので、こういう古典をもう一度
深く調べて自分の作品に馴染むアイテムを拾い集めて
築き上げる作業が増えてきた今日この頃です。

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by tatakibori | 2016-12-22 21:05 | 仕事 | Comments(0)