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地域おこし型アートイベントのその後

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昨年の秋に参加した地域おこしのイベントの報告書が届きました。
近隣の町で地域おこしのNPO法人が主催し、市がバックアップする
しっかりしたイベントで、今回が4回目でした。
これは岡山県北では体験型アートイベントの先駆けとして果たした役割は
大きく、その後の模倣したイベントの出現が示すように革新的なものでした。
そして、地域おこし協力隊員、県内大学生のボランティアが参加することによって
イベントは地方創生推進事業(?)としての性格を強めていったようです。
地元の古くからの基幹産業である林業をからめたり、発酵食品のレストランが
参加するなど地元色を強めて、美術工芸のイベントから一歩も二歩も
進んだイベントに発展してきました。
ワークショップのプログラムは50ほどあったようですが、美術工芸に
絞れば20の作家や団体のものがありました。
報告書をざっと読むと、地元の作家のブースには体験者が多かったようですが、
遠方からの作家のワークショップは体験者がとても少なかったと書いてあります。
地域おこし型のイベントとしての取り組みは成功し次への大きな可能性を示した
のですが、私達作家サイドから見るとクラフト系アートイベントに参加する
メリットが少なくなってきているように思えます。
私もこれの模倣のイベントを開いた事がありますが、さらにイベントは増えて
同時期に乱立するという状況もその原因です。
例えて言うなら、メルセデスの模倣を慎重かつ巧妙にやったトヨタが
上手く行ったので、それに続くヒュンダイなど第3国の模倣がどんどん
出てきたようなものです。
後発組の経費をかけずにコンパクトに地元住民に貢献する手っ取り早い
効果も見逃せません。
乱立から淘汰が始まり、厳しい状況に置かれるのは自治体や地元住民では
なくて美術工芸作家のような気がします。
どのイベントでも「継続」が叫ばれますが、毎回の赤字を支えるだけの
基礎体力は作家個人には望めません。
地域の文化によるまちづくりと個々の作家につながりの無い部分を感じてしまいます。
継続によるイベントの日常化を目指すという意味では地域外の作家は
余所者でありプログラムのアイテムを増やす役割でしかない場合もあります。
自治体やNPO法人の活動は活発で大きな努力が払われ、
それなりの成果を得ているようですが、
そういったものと作家個人の活動は関連していない現状があります。
作家に求められているのは、イベントを通じて存在をアピールする事です。
主催者の意図をしっかり理解することがたいせつです。
お誘いいただくのはありがたい話なので、断ったり逃げたりしないで
よく考えて、それなりの準備と覚悟を持って参加するつもりです。
地域おこし型アートイベントは新しい時代に入ったのは確かです。



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by tatakibori | 2017-01-14 11:58 | アート | Comments(0)