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かんながら(随神)の道

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前の記事でとりとめのない話を書いてしまったので
もう少し結論めいた事を書きたいと思います。

職業は本来、世襲が良いのではないかと常々思っています。
それは親と全く同じ職業を継いでいくだけではありません。
我々普通の民は米作りの百姓の子孫です。
米を作るのはまさに「かんながらの道」であり、
神にささげる美意識がそこにあるのです。
棚田などその象徴的なものです。
農村で創作活動をする多くのアーティストは意識しなくとも
米作りの美学がベースになっていると私は思います。
今でこそ機械化と農薬のおかげで過酷な労働から解放されましたが
稲を育てるのは厳しく辛い仕事でもありました。
それでも作業の一つ一つに神へ捧げる気持ちを忘れず
ひたむきに作業していたのが我々の先祖だったと思います。
先祖から受け継ぎ子孫へ伝える心がそこにあります。
個人的なレベルの話ではありません。
はらから(同胞)というか民族全体の集団としての話です。
その心を持つ創作は人を驚かすような事や、大きな金儲けはできませんが
家族がささやかに食べていく位は充分に恵みを与えてくれるはずです。

「原始の魂の息吹」とか「天衣無縫の・・」などというキャッチフレーズは
西洋の考え方のように思えます。
先祖も子孫も家もないような、荒野に立つ原人のような芸術は
私たち日本人には無理だし、そぐわないように思えます。
かんながらの道を感じる仕事でなければならないように思えるのです。
by tatakibori | 2010-12-08 19:15 | その他
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