我が祖母はとうとう満104歳になります。
ぱっと見た目にはまだ80代に見えます。
それならば、20歳近く若く見える事になります。
たいへん若く見えると言われる人でも、実際に先入観を持たずに
何歳に見えるか確かめてみたら、せいぜい10歳くらい若く見えるだけです。
実際には50でも40歳くらいに見えたら、とても若く見える人です。
不思議な事にほとんどの人の年齢は見た目で判断出来るのです。
小さなお子さんをお持ちの方は経験があると思いますが
保育園に迎えに行ったら一瞬どれが我が子か分からない事があります。
同じような年齢の人間は制服を着ていれば皆同じに見えるのです。
それと反対に年老いた親の同窓会があって迎えに行った時にも
誰が自分の親か分からない事があります。
何故か老人は同じような色合いのジャケットを着て、同じように薄くなった白髪で
皆同じに見えます。
それとは少し違いますが、書く文字にも同様の傾向があります。
小学校一年生の文字、高校生の文字、老人の文字があると思います。
祖母の日記で確認すると平成10年までは普通の老人の文字でしたが
11年(92歳)にはやや力が無くなって文字がふるえてきます。
満100歳までは日記を付けていましたが、だんだん書けなくなり
102歳には完全に日記を止めてしまいました。
父の体験は面白くて、頭を打ったダメージでボケが進行していたにも
かかわらず、死ぬ3ヶ月前にリハビリの同意書にサインしています。
もちろんふるえた文字で、年老いた人間が最後に書く文字です。
人間は生物としては20歳くらいで完成形になるようですが
その頃が一番文字が不安定なように思えます。
老化が始まって、体が固くなった50歳位になってくると
充実した文字を書くようになります。
神経が敏感で関節が柔らかい若者は型にはめた文字が
書き難いのかもしれません。
自分ではものすごく個性があって他人とは違うように思っても
客観的に見て統計的に判断すれば人間に差などほとんど無い・・・
現実はそんなものなのかもしれません。