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六十の手習ひ

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書といふものの意味が少々わかり出し、書を学ぶといふ気合がわかり、
手習いの心がしみじみ身に沁むのは、やはり六十を越えてでなからうか。
昔から云ふ「六十の手習ひ」とはここに於て最初の真の学びである。
書の学びは、先人の心を学ぶことである。その最も直接の法である。
このやうな学び、即ち「手習ひ」によつて、今の私は、千年昔の人と
同じ道をゆき、同じことを行へるのである。
       保田與重郎「手習ひ記」より


先人の残した書をなぞるように文字を書いていくと、その筆の使い方だけでなく
時間的な間まで手元によみがえってくる事があります。
神(死んだ過去の人々)とひとつになり会話をするような気持ちになれます。
60歳まではもう少しありますが、書の本質がわかるようになるのが楽しみです。
保田師は70歳で亡くなってますから、ほんとうに楽しい時間は短かったと思います。
日本人の寿命が伸びているのがここにきてありがたく思えます。
少しでも元気でいて筆を持っていたいものです。
by tatakibori | 2011-09-12 20:38 | 仕事
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