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Regulation

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私は自営業でまったく人に使われた経験がないから、何度も社会の壁にぶつかり
苦い思いをして身をもって社会の規則を知ってきました。
規則や慣習を先に知ってその中で生きる、組織に属する人とそこが違うところです。
仏さまを彫る事を始めた頃に自由奔放に生きてきた先輩に
「仏像を彫るなら先ずその約束事を勉強してきちんとしたものを彫らなければならない。」
と言われ驚いた事があります。
まっとうな意見のようですが、大きな間違いがあります。
当然ながらその手の入門書や仏像に関する書物を集め少しばかり読んでみた
私の結論は、仏像などおいそれと彫るものでは無いという事でした。
スタートに大きな矛盾を抱え行き詰まります。
理屈や規則で考えると成り立たないのが芸術であるのを深く知るのです。
先にルールを知るよりは先ず体を動かして何かやるのが正しい方法です。
その先輩は詩人でしたが、詩の世界にも様式やレギュレーションが存在します。
俳句には禁忌八条と言うのがあります。
  無季の句を詠まない
 重季の句を詠まない
 空想の句を詠まない
 や・かなを併用した句を詠まない
  字あまりの句を詠まない
 感動を露出した句を詠まない
 感動を誇張した句を詠まない
  模倣の句を詠まない
俳諧の持つ季語や切れの制限を持たないのが川柳です。
川柳にもデリケートな約束があるのでそれを踏み外すと「言葉遊び」になってきます。
ネット上の俳句などはその言葉遊びにもならない、言わば「言葉を並べただけ」の
ようなものが多いようです。
さらにひどいのは言語そのものに間違いがあれば「単なる文字の羅列」になってしまいそうです。
俳句にも自由律俳句というのがあり尾崎放哉、種田山頭火などルールにとらわれない
美しい言葉の世界を展開します。
話し言葉の文学の面白さがそこにあるように思えます。
ただ、→山頭火→相田みつを と流れていくと私の好きな文学の世界から離れていきます。
好き嫌い以前のリテラシーの差がそのあたりの好みに反映されていると考えるのは
独りよがりとしておきましょう。

以前、ドレスコードの話を書きましたが正装にはドレスシューズ、ドレスウォッチなどもあり
ストレートチップの靴や黒い革ベルトのシンプルな銀時計など見ているだけで
不思議と清々しい気分になります。
白いシャツを着て正装に近い服装なのは、同席する人々に対する礼儀である以前に
その会場にある神々への礼儀であると今は考えます。
洋服にも深い歴史や様式があるので多くを知る必要はありませんが
それが持つ文化としての意義を感じるのです。
同じように言葉の持つ力を感じ、造形の持つ感動にしても
人間の本質的なレギュレーションを学ぶ事から進めていきたいものです。
by tatakibori | 2011-12-09 09:44 | その他 | Comments(0)
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