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新しいデモ

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毎週金曜日の夕方に総理大臣官邸前に人々が集まるようになりました。
今までになかった新しいスタイルのデモです。

60年安保反対の時代には学生や労働組合、野党勢力を中心に
大規模な抗議活動が行われました。
これこそ占領政策の一つで、
いろいろな考え方がありそれぞれの存在を認めてファシズムに流れない
自由な国家を作るという大きな成果だったろうと思われます。
日米安全保障条約に反対というのは一見米国にとって好ましくないように
思われますが、おそらくホワイトハウスやペンタゴンではニヤリと笑っている
高官がいた事でしょう。

70年安保も多くの反対運動であらゆるイデオロギーや宗教など
価値観の多様化を生んでそれなりの自由な国家への道が開けたのです。
その頃の多くの国民の願いは「先進国としての豊かな社会」でした。
70年代も半ばになると高速道路の整備も進みモータリゼーションの時代になります。
週末になると各地で暴走族が出現して派手な爆音とまるで曲芸のような
運転テクニックで多くの見物人などを集めて社会問題になってきます。
豊かな自動車社会が国策であったからそのアダ花だったのか、
あるいは何かの必要悪だったのでしょうか。
整理する現場の警察官はたいへんだったでしょうが、
どこかで自動車メーカーの役員や通産省の官僚がニヤリとしながら見ていたかもしれません。

今から20年近く前に政府はこれからはマルチメディア社会の時代と舵をとりました。
200兆円規模の大きな産業に発展させて国家の基盤の一つにすると宣言しています。
今世紀に入りブロードバンドの普及でそれは大きな進歩を遂げます。
近年になってmixiとかtwitter、facebookができ、多くの人々が参加して
新しい時代に突入したようです。
2010年頃からスマートフォンが普及して場所を選ばずにその手のsnsに参加するようになります。
動画配信を利用すれば既存のメディアよりも早く情報を発信する事が誰にでも可能になりました。
まさにモータリゼーション以来の革命です。
初期暴走族の若者が器用に派手なドリフトをして見せたように、
コンパクトなIT機器を駆使して大きな人の波を作り、社会に発信するのを
実行したのが今回の官邸前のデモだと思います。

きっと、どこかのビルの上から経産省の官僚やIT関連企業の役員が
ニヤリとしながら見ているでしょう。

集まった多くの人々はペシミズム(悲観主義)的ですが、
上から見ている連中はオプティミズム(楽天主義)的です。
            
by tatakibori | 2012-07-01 12:47 | 日々の生活
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