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消えたエコカー初代プリウス

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何時だったか、面白い記事を読みました。
プリウスはエコではないという話です。
先ず、普通の自動車との価格差を取り返すにはかなりの距離を走らなければなりません。
より廉価なコンパクトクラスや軽自動車と比較すればその価格差はいくら走っても
取り返せないのです。
その証拠に初代のプリウスは街ですっかり見かけなくなったそうです。
理由は高価な大型バッテリーの交換という関門も考えられるそうです。
それに大きなバッテリー製造や最終的な処分のための環境負荷は無視できないというものです。

ハイブリッドカーというのは電気自動車ではなくてガソリンエンジンに
補助装置を付けて大幅な燃費改善を目指したものという事を多くの人は
ちゃんと理解できてないように思えます。
それはエコ(安上がり)を目指したものでなくてもう一つのエコの為にあります。
初代プリウスは売るメーカーは原価を割った赤字で、国が大きな補助金を出して
心意気のある消費者が使う実験的なものだったと思います。
極端にストイックな内装や不思議で新鮮な運転感覚が売りだったのです。
多くのユーザーは徹底的に走行距離を伸ばしたそうです。
プリウスもモデルチェンジし、コンパクトカーの燃費も向上した数年後には
燃費でのメリットも失い、エコカーの存在価値を無くしたのは事実です。

かつてフォルクスワーゲンゴルフという革命的に合理的で未来志向の
クルマが登場しました。1970年代の事です。
ゴルフを薦めた間違いだらけの・・・とかいう本がベストセラーになったり、
初代ゴルフは輸入車としてはよく売れたそうです。
でも、ドイツ車としては意外に早く道路上からその姿を消したのです。
原因は極端に軽く作る為のヤワな車体構造にあったそうです。
ほぼ同クラスの国産車より100kgくらいは軽かったそうです。
GTIという高性能版は800kg足らずの車体に高性能エンジンですから
日本製のライバルより200kgも軽くて驚くほど速かったのです。

エコともう一つのエコと動力性能などをごちゃ混ぜにして話を組み立てれば
プリウスはとんでもない利益優先の国策に乗った税金回収装置になります。
安上がりのエコに徹すれば、軽自動車には魅力的な車種がいくらでもあります。
環境問題を優先すればクルマは止めて公共交通機関や自転車にすれば良いと思います。

エコはエコにつながるから、エコで節約して浮いたお金でヨーロッパに旅行すれば
ぜんぜんエコじゃなくなります。
以前書きましたが、ヨーロッパ往復で一人当たり1000リットルもの
化石燃料を消費してしまいます。
でもそれは、けっして悪い事じゃありません。
あなたが欧州で見て学ぶ事が1000リットル分のCO2が環境を
破壊する力より大きいかもしれないからです。
どっちにしてもエコは必ずしも善ではありません。
エコはある種の思い上がりで、人間のエゴでもあるからです。
by tatakibori | 2013-09-06 20:24 | その他
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