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クラフトデイズの将来

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美作の工芸作家展として昨年春にスタートしたクラフトデイズは、
イベントでありグループでもあるぼんやりした定義の活動です。
昨秋の初イベントは津山文化センター展示ホールで、
2回目のイベントはクラフトデイズワークショップフェアとして
奈義町現代美術館前エリアで開催しました。
どちらも会場費を抑える為に、初回は津山文化振興財団、
次は奈義町との共催という形をとりました。
2回やっての反省点として自治体やそれに準じる組織との
連携は私達作家集団にとって難しい面がある事です。
物事に対する取り組み方や言葉の使い方そのものに
大きなズレがある場合が出てくるのです。

反省点を踏まえて今後の展開を思案中です。
私たちは何が目的だったのかあらためて考えています。
先ず、
クラフトデイズ宣言
工芸の仕事に携わる者は得てして寡黙である。
言葉で伝えるより仕事で伝えたいという願いがあるからだ。
そうやって手仕事を重ねて作り上げた手のぬくもりを持つ物は自然の摂理に適い、
生命の循環の一部を成す安心感に包まれている。
尊い仕事を継承するのは大きな喜びと引き換えの苦しさもそれなりにある。
夢を持ち続ける事は容易ではないが、
環境がそれを奪う事が出来ないのもこの分野の特徴である。
資金や組織がなくても手と情熱があれば物作りは何処でも可能である。
むしろ厳しい環境下でこそ作品が輝きを持つとも言える。
技術を継承し、生活の糧を得るため作品を売るという避けられない現実もある。
そういう小さな経済の循環の為にもよき理解者と価値観を共有し語り合える仲間が必要である。
クラフトデイズは美作の地にその場を作るためにある。
(2013.11.18)


もともと若い作家が食べていく土壌を作るのが一番の目的でした。
その次は地域に暮らす人々と関わることによって
若い世代にこの地域での未来に少しでも希望を作ることです。
疎外感とジェラシーのないあたたかい心のふれあいが
美術工芸を通して出来るのではないかと考えたのです。
作家同志の交流によってベースになる世界を作り、
そこにファンを交えて言葉では伝わらない気持ちを感じあうのです。
そういう人と人の心のふれあいこそが私達の目的でした。

既存のイベント形式で行うと色々な煩わしい事柄があります。
目的を充分に理解しない関係者も発生してくる場合があります。
もっとシンプルに作家とファンの気持ちの交流ができないでしょうか。
ファンは普通の人であり、むしろ遊び慣れてない真面目な人が多いようです。
行動力や好奇心が旺盛な人なら作家の工房を訪ねて
自分で道を開きますが、普通の人は何かイベントでもないと
なかなか近づけない雰囲気はあります。
イベント形式から大きく離れるのは難しいようですが、
無駄を排してよりスムーズに目的を達成できる方法が必要なのです。

まだ具体的なアイデアは出ないですが、
ここにヒントを一つ挙げておきます。
ヒューマンインターフェィスと言って人間が機械(パソコンなど)に
どうやって接して扱うかの考え方があります。
どんどん進歩して、今は取り扱い説明書が無い機械もあります。
人間の感覚や本能を大事にして、思うままに触っているだけで
使い方がどんどん分かってくるのです。
これを美術工芸作家とファン(一般の人)のふれあいに
当てはめて考えていくのです。
多くの人がクラフトデイズに何を期待しているかを
知る事が一番です。

今、クラフトデイズは大きな希望を持つものとして、
作家からもファンからも期待されているのを実感しています。
by tatakibori | 2014-05-20 19:59 | 仕事
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