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一年に一度は来よと

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「一年に一度は来よと 云ひし子の やさしきことば 忘れかねつも」
木丹木母集 保田與重郎

私にとって、この歌を見て浮かぶ所は上斎原か直島です。
どうしても僻地か離島のイメージです。
この歌は、その背景と具体的な前後関係で昭和20年代の
上斎原ではないかと思われます。
昔の上斎原の人たちは客人に「よお帰って来なさった。」と言いました。
一度でも訪ねると親戚扱いで再訪は当然の事だったのです。
同じように、福武が進出する前の直島の人々は「来年もお出んさい」と
別れを惜しんで港からフェリーを見送ってくれました。
手を振るアロハシャツ姿の町長さんが目に浮かびます。
それは4~50年も前の話です。
「おもてなし」と言いますが、昔からそういう気持ちの強い土地柄があります。
伊勢神宮への街道には伝統的に「接待」の習慣があると言います。

付け焼刃の地域おこし、日本版DMOなど50年遅い、いや300年遅いと言えます。
歴史と伝統は後から作れないのです。

by tatakibori | 2016-09-05 20:16 | その他
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