今の一番の夢は家(工房)のリフォームです。
もともとが学校の校舎を移築したもので、それからもう28年も経ってしまいました。
当時、父は大きな仕事の注文があって広い場所が欲しかったのです。
ですが、その仕事はキャンセルになり工事は予算がないままストップしてしまいました。
なかなか支払いが出来ないまま、未完成の部分を手作りし
生活できるようにするにはけっこうな苦労がありました。
将来は建替えるつもりだったのですが、4年前の台風で屋根が全部飛んで
葺き替えてしまったのでこのまま使い続けるしか方法がなくなりました。
この地区は下水道が設置されない事が決まっているので
浄化槽にしてトイレなど水周りのリフォームが先ず必要なのです。
あとは台風で水浸しになってシミだらけの部分の改修です。
この建物には設計士やデザイナーの意見を入れたりしないで
直接職人さんを雇って工事をしました。
そういう経験から言うと、設計士やデザイナーは絶対に必要です。
どんな小さな仕事でもプロの意見を入れるべきだと思います。
職人さん主体になると全体の予算やデザインを考えないで
些細な事に拘り凝った事になる場合が多いのです。
結果的に無駄に高くつく事になるような気がします。
よくあるオーディオ・マニアのパターンで「こだわり」の塊のようなシステムにすると
細かなパーツやケーブル、さらには部屋そのものの音響改善など
際限のない世界に陥る場合がありますが、家の場合もまさにそれです。
ようするにバランスや予算が大切なのです。
松江のお城を見てびっくりした事があります。
けっして贅沢に作ってはないのです。
材木を出来るだけ倹約してあるのには驚きました。
新しい病院や福祉施設なども贅沢に作ってあるようですが
厚生労働省の基準があってその範囲内での予算やスペースですから
贅沢なものではありません。
多くの設計士やデザイナーの知恵があればこその雰囲気なのです。
ほんとうのプロの仕事とはそんなものだと思います。
細かな事にこだわりすぎては全体像が見えなくなります。
我が家のリフォーム、理想を言えば自分で出来る部分は
自分で工事したいと思っています。
あんがい、これが一番の贅沢かもしれません。