河井寛次郎の弟子・椋木春水氏の皿に保田師が文字を書いて
焼き上げた珍しい作品です。
これも父の宝物の一つでした。
武士の魂と言えば刀です。
それを質に入れて普段は竹光でごまかすという話があります。
武士の魂ならばそれでもすまされるかもしれませんが
父の魂のよりどころとしてのモノならば
質に入れたり、お金に困って売り払うというのはありえません。
十字路で悪魔に魂を売ってギターが上手くなったという
伝説のブルースマンがあります。
映画でも悪魔に魂を売った男の話、
「エンゼル・ハート」(ミッキー・ローク、ロバート・デニーロ)
という恐怖映画の傑作がありました。
この皿を売るとすれば、それは悪魔に魂を売るような事です。
モノに執着はしたくないですが、師の作品ならば
お金に換える時はそれ相応の覚悟が必要になるでしょう。
もしも悪魔に魂を売って何かを手に入れるなら
それはおそらく素朴とか純真などとは無縁のものでしょう。
権威とか冨とか名声の類になってきます。
何かの箔をつけるために海外遊学とか欧米の有名画廊で個展、
画集の出版、権威のありそうな海外の賞を(金で買い)受賞する・・・。
私には全く無縁の世界です。
欲望があるとすれば、とりあえず今は
ニコンの24-70mm2.8のレンズが欲しいくらいです。
魂まで売らなくてもちょっと頑張ればそのうち買えるでしょう。(笑