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野の人

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30年ほど前、私が30を過ぎたばかりの頃にある老作家二人から
「芸術家は野の人でなければならない」と聞きました。
それから「野の人」とは何だろうと考え続けてきました。
お二人は明治34年生まれの私の祖父と同い年で、
wikiによると、ともに東京帝国大学で、文学部と法学部卒、
学生時代には共産党やプロレタリア文学にも関わるが
その後転向するなど後に日本浪漫派に加わり、
父との接点があったようです。
大正末期に生まれた父と、明治生まれの作家には
どこか世代の差があり「野の人」という言葉の解釈が
漠然として三人の会話にはよく分からない部分がありました。

「在野」は政治なら野党、学者なら大学に属さず民間の研究者、
法律家なら弁護士、それからフリージャーナリストなどを指します。
体制や権力に属さない「野の人」です。
しかし野党とは言え政治家は政党を作り発言力を高めて
大きな権力を作る人なのだろうと思います。
マスコミは権力を批判し世を正す使命があるように思えますが、
マスコミそのものが大きな権力であると言う
矛盾を抱えているようにも思えます。
著名な芸術家のほとんどは権力に寄りすがって大きな
仕事を成して、名声と富を手にします。
そういう意味では「野の人」であるのは簡単ですが、
生活していくのは難しくなります。
建築家のように富の集まる所にしか仕事がないような職業もあります。
演劇のように反体制を是とする世界もあります。
政治的な左派が「野の人」であるとは、私には思えません。
芸術家が政治的な発言を繰り返すほどその作品が
浅いものに見えるからです。

真の「野の人」とはどういうものなのか、
それを考える事がこれからの仕事の芯になるような気がします。



by tatakibori | 2018-04-24 08:43 | その他 | Comments(0)